いとおもしろき川

久しぶりに訪れた川は以前と少しも変らず、14年もの間支流全域をC&R区間として提供し続けている渓流師垂涎の河川である。
今回のレポートを書くにあたり様々な想いが溢れたが到底書ききれないので書かないことにした。

鮎も始まりog氏はどっぷりとはまり込んでFFなどもう頭の隅にも無いようなので、取り残された我々は4人連れ立ってさてどこへ行こうか算段してみた。
U川、TD川、T川も飽きてしまい老師などは単独でしかも平日に1泊2日で庄川水系を探りに行く始末である。
そんなことでまだ皆さん行ったことの無い川で比較的近い川をご紹介がてら行ってみることにした。ガイド役の私としては日中だめでもイブニングにC&Rに逃げ込めば何とかなるだろうし、最悪U川へ転向するのも楽、もっと欲があるなら小鳥川水系までご案内するにも比較的近いしなどと逃げの画策には最適だったからである。
名神、東海北陸と乗り継ぎ3時間半、SNMとほぼ時間的には同じような時間でいけるがもう10数年もご無沙汰なので以前と同じようなポイント取りで釣果を出せるか全く不明な状態のガイドはまずはC&Rの支流合流点の本流筋が3本に分かれて流れる区間を一押ししてみた。
C&R合流点に先着2名あり、老師にどちらに入るのか確認してもらうとC&Rへ行くとのこと、本流筋は幸い空いていた。
少し浅くなった本流を渡渉し右岸側2本の筋が比較的距離もあるので2組に分かれて入る、真ん中の筋に老師と、最右岸の筋を私と業師がやる予定であったが最右岸の筋はちょろちょろの流れになってしまっていたので暫く同じ筋を4人で釣ることにしようと老師との上流部に回り込み二人を待ちながら釣りあがる。が、一向に二人が追いついてこないので、さては前振りが効いて淵で粘りすぎているのではないかと不安になってきた。
どうも稚魚に毛の生えたアマゴしか食ってこない、こりゃやっぱり10数年もの歳月は如何ともしがたいなと入渓1時間ほどで諦め掛けた頃老師が追いついてきて入渓1発目にそこそこのイワナが出たという。

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もっと大きなライズを確認したためは粘っているのだとも言うのでそう捨てたものでもないかと気を取り直しもう一度2筋に分かれるところから今度は右岸左岸を入れ替えて釣りあがるが我々のほうは一向に冴えない。
合流点で右岸側の状況を聞くと老師が22cmほどのアマゴを1尾、反応もボツボツ有るがイマイチ型が小さいという。

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老師、はEHC、我々はQBP、やはりEHCかなと毛鉤を変え、流れが岸の岩盤にぶつかり少し巻きながら淵に流れ込むポイントに上流から流し込むとイワナらしき影がスッと吸い込んだ。グングンと頭を振る、下流へ走り掛けたので竿を立ててためた瞬間ばれてしまった。
綺麗な広い流れなんだがなぁ、どうも反応がない。ピチピチと出てくれるのは稚魚アマゴばかりである。

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10時前まで頑張ってみたがあまりの反応の悪さに疲れがどっと出てきた、一度振り出しに戻し、上流域を参考がてら見に行くことにした。
上流域はほとんど流程も渓相も変っていない。魅力的なポイントが幾つもあるが4人でやるには少し狭い、谷が流れ込む本流筋へ車ごと乗り入れられるところへ乗り入れて昼まで遊ぶことにする。適当な日陰もあるし、流れも近いのでゆっくり昼寝できそうだったからである。

老師とは本流へ、我々は谷へ入る。
谷へ入って早々業師にまぁまぁがヒット。

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次のポイントで私に同じようなサイズが出るがバラス。どうも業師とは相性がよくないのか?この間からばらしてばかりだ。

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そんな感じで最初の堰堤まで約2時間釣りあがったが、業師は5尾も拾ったのに私は2尾にとどまった。どうも…イヤイヤ業師が腕を上げたのだ。

谷を下りて本流の様子を聞くとまたもや老師組みはいい目をしていた。がまぁまぁのイワナを4尾、老師もそこそこ数を上げていた。
朝から昼まで釣れてないのは私だけではないか…どうやら意気込みが魚に伝わってしまってるようだ。
良い日陰があったのに方向が悪く、太陽が日陰をなくしてしまっていた。昼寝の場所を探しに上流へ移動。白山登山口の東屋で昼食とする。流石に涼しい。高度もあり気持ちよい風が吹いて午前中の暑さを忘れさせてくれる。ビール持ってくればよかった。
昼寝から目が覚めたのが4時、こりゃいかん、小鳥川どころではなくなった。どうする?この川で完結するか、U川へ転向するか。
下りながらイブニングに最適な場所を探す、が良さそうなところはきっちり抑えられてしまっている。中にはイブニング待ち体勢で座っている人まで居る始末。
逃げ込む気でいたC&Rは昼間に様子を見たら50m間隔で釣りをしていてさながら管釣りのような賑わいであった、いくらなんでもあれではイブニングとはいえ期待できない。
どんどん下流へ走らされる。が、どこまで行っても待ち人あり。
仕方ない、とことん下がってあの場所に入るかと思いグッと下りて駐車場所を見るとここにも…か~ここもか…U川行くしかないか?と少し下がると空きがあった。
やったことは無いがまぁあの場所からそう遠くないから居るかもしれない、玉砕覚悟の突撃を強いる隊長のような気分であった。

がライズを発見したらしくかなり粘っていたが、出なかったらしい。その上流部で私に25cmのイワナが、続いて27cmのヤマメ。

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上流をやっている老師に聞くと28cmイワナが出たとのこと、業師にもいい型のアタックがあったがフッキングできなかったとのこと。

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その上流の淵の流れ込みでQBP#16に小さく飛沫が上がったので軽くあわせて見ると流れ込みから渕尻まで10mほど一気に走られプツン、ヤマメだろう。サイズは不明だが止め切れなかったほどのサイズということだ。

6時を回ったがライズも確認できないので老師は早々と引き上げるといって車のほうへ、上流で粘っている業師との様子を遠くから見ているとなにやら業師の動きが竿を立てて格闘しているように見える。側のがネットを準備しているように見えるが遠くてはっきりしない。どうやら何かあったようである。
毛鉤も見えにくくなったので下りながら淵を探っていくと25cmほどのヤマメとイワナを追加できた。車まで帰ると最初にが粘っていた淵でまだ老師が粘っている。
なにやらジェスチャーで大きいのがいるとか出たとか言っているようだが定かでない。
着替えを済ませて荷台いっぱいの荷物を整理していると老師が上がってきた。
「尺出たで!」一言、やられた。

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ライズを発見し一発で食ってきたそうだ。分厚い奴はかなりの抵抗を見せてくれたらしく、ASUWAの無念が晴らせたようであった。

業師、も帰還、どうやったと聞くと、業師がかなりの奴を掛けて足元まで寄せたがワイヤの残骸に糸をかけられがネットインする寸前に切れてしまったそうである。

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同じ淵でまずが28cmのイワナ、業師が同様のイワナ、そして業師にそのヤマメが来たらしい。私がその騒動の様子を遠くから見ていたわけである。
ガイドの私としてはお客さんにいい型を釣っていただいて嬉しいかぎりであるが…
皆さん腕を上げましたなぁ。
この2時間半のために今日はあった!いとおもしろき川、老師のイブニングポイントマップにきっちり書き込まれたことだろう。