ぶらり信州フライ旅

“千曲川”センチメンタルでノスタルジックな響き・・・。
藤村が愛し、日本人の心の故郷を流れる川。
甲斐(山梨)武蔵(埼玉)信濃(長野)の三国にまたがる甲武信岳(こぶしだけ)に源を発し、北アルプスを代表する名峰槍ヶ岳からの清冽な水を合わせて長野県を流れ、新潟県に入って“信濃川”と名前を変える日本一長い川である。
流域には、武田信玄と上杉謙信が戦った川中島や、真田幸村の居城だった上田城などがあり、歴史ロマンに溢れた名所が随所にある。

爽渓会(?)秋の釣行会だが、今回は思い切って信州まで足を延ばすことになった。
毎年U川ばかりでは芸が無く、今回訳あって高級リゾートホテル“エクシブ蓼科”を予約できたことが一番の理由である。

Exiv

いつも宿泊は、テントや車の中だが、今回はゴージャスな釣行会となった。
参加メンバーは、最終的に私とF氏、H氏のツワモノ三人集・・・?
集合は9月15日深夜12時、夜を徹しての走行である。

頼りにしていたナビゲーター役が参加できなくなったため、カーナビに案内を任せ、諏訪ICを通り越し小淵沢ICで降り、八ヶ岳高原ラインを通って山梨県に入り、清里を経由するルートで、夜も明けきった6時過ぎに川上村に到着した。
目指すは、フライフィッシング界大御所の岩井渓一郎氏ご推奨の千曲川、その中でも水質や渓相が最も優れ、魚影も濃かった(?)という支流の金峰山川だが、到着してみると思ったより減水している模様。
あちばけダム上流がこの時期のポイントと判断し、最上流部の二股を東股沢の方へ1km程進んだ地点から入渓した。
花崗岩系の白い岩にサファイアブルーの水が何とも美しい渓である。

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朝一番の水温は9℃、白樺林から湧き出す水はさすがに冷たい!
魚は居ることは居るが、相当擦れている感じで、出方が厳しい!
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結局、お昼までやって、F氏だけが20cmまでのイワナを4匹キャッチ。
木々が覆い落差のあるポイントが続く場所では、経験と腕の差が歴然である。
ただ、瀬掛けや尻掛けで釣るというのは、これも技術なのだろうか・・・?
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昼食後、いつもの昼寝をたっぷり取り、4時に中流部の鳥居のあたりから入渓。
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3人共、小型のヤマメやイワナを2-3匹ずつキャッチし、この日の釣りを終えた。
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かつてはイワナの宝庫としてその名を轟かせた金峰山川だが、今はその面影もなく普通の川になってしまった感があり、明日もう一度来ようという気には、残念ながらなれなかった。
もう少しコンディションの良い時期に来れば良かったのかも知れないが・・・。

宿泊先の“エクシブ蓼科”までは、国道299号線、通称メルヘン街道を利用。
最高地点である麦草峠の標高は、なんと2127m、国道の中で2番目に標高が高いそうで、比叡山と武奈ヶ岳を足してもまだ足りない高さである。

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9時過ぎに“エクシブ蓼科”にチェックイン、すぐに大浴場のクアハウスへ直行。
会員制高級リゾートホテルだけに、長いアプローチから続く豪華なエントランスや、室内は元より周りの景色にいたるまで本当に素晴らしく、十二分に満喫することができた。

翌日は、帰りのことを考え、天竜川水系の支流に入ることにし、八ヶ岳の眺望を堪能しながらあちこち見て周ったが、最終的に前日夕食を摂った飯屋の主人から聞いた滝ノ湯川に入ることにした。

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ここでも18cmまでのアマゴやイワナを3人で7-8匹キャッチしたが、少し釣趣に欠けるのと、どうも型に不満がある。

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そこで、お昼に蕎麦屋で玄蕎麦をすすりながら色々と検討し、私が今夏に訪れた太田切川のC&R区間を目指すことにした。
3時過ぎ、上流部の駒ヶ根橋の下に3人それぞれ分かれて入渓。
私が22cmのニジマスと小型のアマゴ、
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H氏は20cmまでのアマゴとイワナを5匹、
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F氏は28cmの今釣行最大のアマゴを含め6匹と、まずまずの釣果だった。
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そして6時半、ソースカツ丼で有名な明治亭でヒレカツ丼を食べ、7時半駒ヶ根ICから帰途につき、11時京都南ICに到着した。

今回決めていたのは、千曲川釣行と“エクシブ蓼科”での宿泊だけ、あとは気分しだいの全行程900kmを超える気ままな旅。
八ヶ岳の優美な山容を眺めながら澄み切った美味しい空気を味わい、うまいものを食べて優雅なリゾートホテルでの宿泊、釣果の方はイマイチだったが、存分に愉しめた釣行会だった。
来年の釣行会、どんな趣向を凝らそうか今から愉しみだが、釣果を問うのであれば、
やはりU川ということになるのだろうか・・・。(O)