カディスの季節

ツツジ科の花が一斉に咲き競うこの季節、フライフィッシングも本格化する。
雪が多かったこの冬をジッと耐えた渓魚たちとの心ときめく再会・・・。
通い慣れた川のいつものポイントでドライフライに飛びつく姿は、魚たちとの饗宴の始まりを告げている。

ゴールデンウィークの5連休、当初から5月3日と4日の一泊釣行を目論んでいた。
単独釣行でもよかったのだが念のため2日の晩にBird氏に電話すると、たった今美山川最上流部の京大演習林から上がったところとのこと・・・!
相変わらずの行動力とタフさには全く頭が下がる。
3日からのT川一泊釣行を持ちかけると二つ返事でOK、話は速い。

3日早朝6時半にいつもの駐車場で待ち合わせ、1台で湖北方面へ車を走らせた。
今年初めてのT川、8時過ぎにN漁協向かいの家で年券を購入し上流方向へ。
水量は平水よりやや多め、まずは中流部のBird氏お奨めポイントから川に降りた。

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水温は7℃、ウェダーを通して冷気が伝わってくる。
最初のポイントで私に3回ほど反応があったもののフッキングには至らず、さらに上流へ移動。

ここでようやくBird氏に初ヒットしたのは20cm程のアマゴ。

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続いてBird氏に23cm程のアマゴがヒットし、1時前に川を上がった。
途中で漁協の監視員に聞いたところ最上流部まで林道が開通していることを確認。
私はまだノーフィッシュだったので実績のある堰堤上のポイントまで移動し、遅めの昼食にした。

堰堤上はほぼ平水、最初のフラットなポイントでBird氏に25cmの良型アマゴがヒット。

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私にもようやく20cmのアマゴがヒットし、ひと安心。

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ここで二人とも4-5匹ずつキャッチし、さらに夕まずめポイントへ移動。
ここでも20cm前後のアマゴを3-4匹ずつキャッチし1日目終了。

二人とも歳のせいか疲労がたまって腰が痛くなったので温泉へ直行することに。
ナビで検索した『北近江の湯』でさっぱりと汗を流し、コンビニで夕食を調達し再び川の上流部へ戻った。
村の灯りの下で夕食を済ませいつものテン場でテントを設営し眠りについた。

ウグイスが目覚まし代わりという何とも贅沢な朝を迎え、ゆっくりと朝食を摂った。
8時過ぎになって陽射しが川面を覆うようになったので、昨日の夕まずめに入ったポイントの続きをやることにした。
この最上流部は今の時期ならまだマシだが、これから草が伸び出すとほとんど釣りにならなくなる。
それにしてもワサビの多い谷である。

jouryu

wasabi

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ここでも25cmまでのアマゴを5-6匹ずつキャッチ。

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12時に上がり3時までゆっくり昼食休憩と昼寝。
中流部はまだ水量が多めということもあって、夕まずめは堰堤までの区間に入ることにした。
ライズもあちこちで見られるが、フライを見には来るものの咥えるところまでいかないという状況が続いたので、それまで使用していたQBPからカディスに変更。
途端に25cmの良型アマゴがヒットした。

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ユスリカやガガンボのハッチが目立ったのでQBPを使い続けたが、よく観察すると小型で黒っぽいストーンフライやクリーム系の小型のカディスが飛び始めている。
そう、もうすでにNさんやHさんの大好きなカディスの季節が到来していたのだった・・・?

zansetu

今季初めてのT川釣行、まだ残雪があちらこちらに見られるものの、しっかりとした手応えを感じさせてくれた。
これなら禁漁になるまでの5月いっぱいは愉しめる・・・、そんな予感を感じながら芽吹きの始まった山合いの渓を後にした。