久しぶりの尺

金曜の夜、夜半から出発するつもりだったが、眠気に勝てず結局起きたのは4時、5時出発。既に川に立っていなければならない時刻である。
そんなことで手取水系SNM川に着いたのは8時過ぎ、こんな時刻に到着するのはめったにないので、いつも入漁料を投函している宿泊施設で年券を購入、受付のおねえさんにこの施設は朝4時頃からチェックアウト可能かと尋ねると、皆さんそうされてますよと言う。皆さんというくらい来るのかと先々週の不発に納得する。
宿泊費はと聞くと1室6人まで3人以上なら7500円らしい。意外と安く泊まれるようだ。

で、この時刻になるともう既に終わってる人や、真っ最中の人で入る場所はないのは容易に予測できる。ならば取水堰堤上流部へ時間差攻撃をかけようとザックを背負って川を歩こうと覚悟してきた。先々週の状況からまだ少しは水は高めで一人くらい先行していても午後からならまだ出る奴もいるかもしれないというあまい期待のみに賭けてみるいつもの悪い癖だ。
焦ることもないのでノンビリ林道を走る、暫く走って気が付いた。車が一台もなかった。
もしかして中流部のいいポイントが空いているかもしれないと急ぎだす。誰もいない、中流部に限っては一番乗りである。それなら苦労して歩くこともない、木曜に老師が入ってなかなかのもんだったようなので期待できる。

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今期2度目という超スローペースの出だし、身体は鈍り切ってしまっている、川原へ下りるだけでもズルッと足を滑らす情けない状態はこれはもういけない。川原で少々アップなど入れて出撃。
水量は程よい感じに落ちている。深みの巻きにフライを流し込んでみるが岩陰からは反応なし。淵の流れ出し、少し上げた緩流帯、泡の切れ目と探っていくと泡に落としたフライが切れ目を通って流れが緩くなる寸前でビュンと飛び出してきた。最も楽しいコンディションだ。
老師はボコボコだったらしいがそこまでいかないがホコホコ程度に楽しいサイズがやや神経質に来る感じで、短めのティペットを矢引き程度継ぎ足してやや長めにドラグ回避時間を稼いだ点で水面に出ることなくヒュンとフライをついばんでくる。贅沢を言わせて貰えばもう少し水面を割ってくれるともっと楽しいんだが、まぁこれはこれで集中力遊びで面白い。ブロックポイントまで2時間ほどタバコを吸うことさえ忘れさせてくれた。このポイントから上はいつもはやらないのだが、昼まで時間もあるし堰堤まで延長してみた。
この短いポイントは結構人気のポイントでこの区間だけいつも釣り荒れている。ほとんど期待していなかったが、大岩を巻いて立った石の足元からいい型が遁走していったのでまだ今日は誰も入っていないようだ。
釣れて来るサイズは2~3cm大きくなる。割と流速のあるポイントで出てくれるので結構スリリングだ。
大物の居そうな淵を流すが全く反応なし。その上流に少し速い流れの深めの瀬が対岸の岩盤に沿って主流を作っている。岩盤底はあまり魚が付かないが取り敢えず対岸の岩盤にえぐれがありそうなので流すだけ流してみた。
大き目の影がフライに反応したのは速い流れのど真ん中、やはりえぐれがあったようだ、影の大きさに思わず手首が反応しそうになったのを一瞬こらえてあわすとガツンと止まった、この感触がたまらない。上流へ突っ込んでくれるのがイワナの面白いところ、そして下流へ走り先ほどの淵へ入ってまた底へ突っ込む、寄せると今度は岸のヤナギの根に突っ込もうとする。これだけ楽しませてくれた奴は久しぶりだった。継ぎ足したティペットがよく切れなかったものだ。手のひらでキャッチ、そのまま針が外れても大丈夫な岸奥へランディングしてやっとホッとした。バタバタとじっとしてくれないが少し待ってくれ、長さを測ったらすぐ返してやるからというのになかなか大人しくしてくれない。こんな時はやはりランディングネットがあるといいなと思うが…
34cmあった、この辺りのは放流ものだろうがなかなかいい顔つきだ。数年前上流の奥でHO氏が釣った奴には及ばないがこの辺ではこんなものだろう。

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上のポイントでまた27cmが出た。

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型がよくなってきたので堰堤に期待したが堰堤下に直行できる入川口からくっきりとした足跡があり、期待の堰堤下ではチビッコ1尾のみであった。
堰堤の端の流れのないところでボーっと浮いているいい型を見つけたがフライを流し込んでも見向きもしないので近づくと岩の中へ入ってしまった。よく見ると岩に入ったかと思った奴が半分顔を出していやがる。なめられたものだ。こんなノンビリした奴が居るのもイワナの楽しいところである。分かりにくいと思いますが岩魚を探してみてください。

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昼寝の後午前中に入った下流をやろうと思ったが、目が覚めたら既に先客にやられていたので急いでKZ谷へ向う。

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17時堰堤下に到着したが水量が激減していた。堰堤上流よりも下流のほうがいいかもしれないと思い、橋の下流から入ると魚が走る走る、結構数は居るようだ。

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こんなに水が少ないのに反応はすこぶる良い。ポイントごとに25~6cmが出てくれる。水が少ないのでドラグもかかりにくく魚もポヨンと出てくれるし、今日はKZ谷サービスデイじゃなかろうかと思えるほど簡単に釣れる。こんな時に初心者が入れれば一発で嵌るんだろうな、苦心した初心の頃がバカらしく思えてきた。

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しかし、堰堤上流の水量はかなりのもので、水溜りで釣りをしているような感じで面白みに欠けるのでいつもはやらない下流部で日が暮れるまでの30分を過ごしたが、この辺りの魚も結構型がいい。27cm最高だったが、25揃いばかりが5~6尾出てくれて納得のイブニングとなった。

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しかし、これだけ減水してくるとこの先が見えない。釣れなくなったら雨乞い登山でもしようか。