優柔不断

長いことご無沙汰している渓へ行って見なければならないと思いつつ、ついつい目先の釣果に目がくらみ毎度おんなじ場所ばかりに通ってしまいどうもいかんなと思っていたところへ久しぶりにH氏から今週はどうします?とお誘いがあった。
庄川尾上郷、手取O谷最上流、宮川(神通川)水系、長良川、飛騨川とご無沙汰ばかりで毎週行っても行ききれないほどの心残りがある。
今回はひとつこのうちのどこかへ行って見なければとH氏に相談、手取O谷最上流へ行ってみようということになった。
追坂峠で待ち合せ、一路北陸道へ、雨が…
次第に強くなり、しまいにはザーザーと…、またかいな…
降雨量情報と水位情報を確認すると「無理」と出ている。敦賀IC入り口で他の河川情報を確認しても入れそうな川はない、H氏が「これはもう帰ったほうがいいのではないか」、このところのゲリラ豪雨の状況を鑑みるとこのような時無理に行って怪我でもすると良くないと話は決まり断念することになった。
H氏と別れ帰り道石田川を見に行くとここも増水濁流、やはり帰ろうともう一度水位情報を見てみると一時間当たり15~6cmのペースで水は引き始めている、これなら午後には釣りが可能な状況だ。先の決断を翻し一路K谷へ向かう。
午前8時前石川県に入り国道沿いの大道谷の状況を確認、水位は少々高いが水は澄んできている。K谷に入るにはもう少し待ったほうがいいと思い大道谷で時間をつぶすことにした。
入渓地点でさてどうやって釣ろうか悩んでみた。アントを沈めてみる、ソフトハックルを沈めてみる、大きなカディスを流してみる、#16のカディスを流す、沈める、ホッパーを流す…どれも反応無し。
これならもうQBPで探り倒すしかないかと緩流帯にしぼって遡行開始、すぐにアベレージサイズがヒット、何でもいいのかも知れない。
その後2~3のアタックはあるもののヒットさせられず増水の遡行にも嫌気が刺し少し早いかもしれないがK谷に向かう。
K谷はそろそろいい水加減になりつつありいつものポイントを目指し林道を登る。
第4橋をこえ登りに差し掛かったところでいつもの駐車ポイントに先行がある、よく見ると京都ナンバー…確かW氏とT氏がU川へ行っていると聞いていたがU川も増水で釣りにならないはず、もしかすると彼らではなかろうかと林道の奥へ進むとすぐに2人のウェイダー履きが降りてきた。やはり…思ったとおり彼らであった。U川の増水で釣りにならずすぐにこちらへ転戦したそうで、二人とも5~6尾を掛けたとの事、恐れ入りました。さすがに「ぼ」知らずの二人、作戦が見事だ。K谷は上流域は既に飽和状態なので下流部へ下がりヤマメ狙いに変更。しかし下流域は落差が大きくこの増水では遡行が大変である。数尾のチビヤマメが元気に飛び出すがここぞというポイントは沈黙、大型はいないのか水面に興味がないのか。
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薄紅化粧のヤマメ、大型は白泡の下だろうか

O谷は水引きが遅いし、市ノ瀬駐車場横の様子を見てみたがあまり面白い釣りが出来そうな状況ではなく、日陰を探して昼寝にする。5時前だったろうか駐車場警備の人にここでキャンプするおつもり?といつもの事ながら職質される、ちょっと昼寝をしていたんですというと、きっちりお仕事だけはしていかれる、「ここではキャンプは出来ません、キャンプなら~」とお決まり文句を一節ブッて去っていった。丁度良い時間に起こしてくれた、M谷のイブニングポイントはW,T氏が入るだろうから私は本流合流点から第一堰堤までやろうかと決めていた。ここもアベレージサイズばかり、早上がりして第一橋上下流のチャラ瀬を狙ってみたがやはりアベレージ。夕闇も近づき堰堤下に期待するがこの堰堤下は浅すぎ、昼間のプレッシャーが抜けていないのか反応もなくジ・エンド。

帰りの北陸道でふとT川は増水後でまだ鮎の引っ掛けは入りにくいはず、朝一ならチャンスはあるかも知れないと思い立ち今庄ICで降り、川沿いで一泊、堰堤上流に入る。
増水は20cmほど、ささ濁りである。ドライに出るのは15cmほどのチビばかりなので逆引きしてみると同じポイントから少しましなサイズが飛び出した。

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やはりこういう条件ではウェットの釣り下がりということになるのだろうか、重めのシンクティップは最近持ち歩きもしなくなったがやはり釣り下がり用も一通りは積んでおかねばならないと痛感する。ソフトハックルの20cm上にマーカーというスタイルで釣り上がってみる、激流のわきのポイントでマーカーがフッと沈んだ、合わせるとグンと乗る、下流へ走られるところを何とかこらえて取り込むと長さは25cmほどであったが体高はぶっとい、手で持って撮影しようとしたがなかなかじっとしてくれなくてシャッターをきる前にティペットをきって逃げられてしまった。
ウェットの釣りというのはなかなか辛抱のいる釣りである、辛抱できずにドライに変えるがやはり反応するのはチビばかりだ。
あれこれ試していると時間の経つのが早い、500mほどしか進んでいないのに3時間が過ぎ軽トラがうろうろしだした、昨年から上流のN漁協もアユを放流しだして昨週あたりから素掛けが始まったのである。素掛けでアユを掛けるんだがついでに型のいいアマゴやイワナも掛けられる、勢い大型は減ってくるのである、漁協の方針、地元の楽しみである。T川でフライを楽しめるのは5月だけとなってしまったわけである。
チビばかりしか釣れないので嫌になり川を上ると川沿いの駐車スペースは軽トラだらけ。N漁協のアユなどめったに知る人も少ないだろうしさぞかし多くのアユが残っていて引っ掛けるのも楽しかろう、もうお祭り騒ぎである。
まだ時間も早いので石田川第3堰堤上流を探って帰ることにした、水量は1日で平水に戻っていて濁りもない。あとは魚がいてくれれば…
1Kmほど釣り上がったが5回アタック3度フッキング、3度バラシで結果的にノーフィッシュ、淵で走りまわられてばらしたのが1尾いたが25cmあるかなしかといったところだろう。昼前までやったが集中力がかなり落ちてきたようで小石につまずくわ斜めの石を踏んでじたばたするわで魚も獲れずストレスになってきたのでやっと帰る気になった。
あちこち回ってみたが結局増水に悩まされ中途半端な釣りばかりになってしまった、優柔不断な釣りはストレスのもとである。