増水転じて福となす

昨夜から降り続いた累計雨量は46mm、特に夜中の12時から2時にかけて37mmの集中豪雨が襲っていた。
さらに4日前の15日から16日にかけても76mm降っていて、この4日間でなんと120mm以上の雨が降ったことになる。
唯一の救いは釣行日である19日(土)の予想雨量が0mmということ・・・。

来週から中間禁漁期間に入ることを考えると今週がT川のラストチャンス。
“少々の増水でも行っとかなければ・・・”そんな強迫観念にせっつかれて重い腰を上げた19日、現地到着は少し遅めの6時半、イマイチ気合が入っていない!
狙いは最初から最上流部と決めていたが、現場に到着して唖然となった。
予想していたとはいえここまで凄い増水とは・・・。

小雨も降り出してきて、完全に戦意喪失・・・。
しかし、“折角ここまで来たのだから・・・”としばらく車の中で模様眺めの仮眠。
9時過ぎに目覚めたときには薄日が差していた。
“少し水が引いたかも・・・”と淡い期待を抱いて最上流部まで見に行くと、何とか釣りになりそうなポイントがある。
いつもならチャラチャラで水が少ないのだが、この増水がポイントを作っている。

jo_ryu

最上流部に架かっている橋の下から川に降りた。
若干濁りもあるので使用フライはピーコックボディのカディス、黒っぽいボディの方が魚からの視認性がいいかもという狙い。
早々に魚からの反応があって“これならいけるかも・・・”と確信を抱いた。
そして、少し進んだ緩い瀬の開きで初ヒットしたのは25cmのアマゴ。

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想定外の良型アマゴに嬉しくなってしまった。
さらに20cmを追加、今回同行したことWにも20cmと23cmのアマゴが連続してヒット。

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1時半に上がったが、私は18cmから25cmのアマゴを5匹キャッチ、Wは2匹のままに終わった。
もう15年近くこの川に通っているが、こんな上流部で釣りをしたのは初めて。
災い(増水)転じて福となすということか・・・?

上流部にあるいつもの木陰で昼食休憩し、2時半に後半のスタート。

delica

あれ程凄かった増水も幾分マシになってきている模様で、休憩地点の上流から川に降りることにした。

Jpoint

少しマシになったとはいえ、押しの強い流れを押しのけて進むのは結構骨が折れる。
濁りが無いのが救いだがポイントが限られるし、すぐにドラグがかかって釣りづらいことこの上ない。

それでもここぞというポイントを丹念に流すと、20-23cmのアマゴが思い出したように元気に飛び出してくる。

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そして、この区間の中間地点で今釣行のメインドラマがスタートした。
木やブッシュに覆われた今回の上流部が初めてだったWが、大型の潜んでいそうな淵の開きに木と木の間を通して少し大振りのカディスをうまく打ち込んだ。
その瞬間、水面が割れて水しぶきが上がった。
私が思わず“デカイ・・・!”と叫んだ。

Wは、前回大型のアマゴをバラシているだけに最初の強い引き込みを耐えて慎重に魚体を寄せてきたが、次の瞬間綺麗な放物線を描いていたロッドが一直線に延びてしまった・・・!!!
“えっ、ウソーっ、またぁ・・・!!!”
フッキングが浅かったのか無情にも針外れ、27-8cm以上は優にあったはず。
今回こそは何としてもキャッチしてもらいたかったが、無念の一語に尽きる。

そしてさらに少し進んだなんてことのない瀬脇で今度は私に良型がヒット。
愛竿を絞り込んでくれたのは28cmのアマゴ、増水が逆に幸いして思わぬ良型が顔を見せてくれた。

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その後も大場所をWにチャレンジしてもらったが、残念ながら二度と大型が姿を現すことはなかった。

6時半になり、最後に取っておいた休憩ポイントの下流部に移動。
ライズも見られたが捕れずに終わり、暗くなった8時前にストップフィッシング。
最終的に私が18cm~28cmまでを10匹、Wには又しても試練の一日となった。
大増水で半分あきらめ気分で臨んだつもりが、予想以上の釣果に恵まれ、改めてこの川の底力を見たような気がする。
今季もせっせと通い続けたT川、ひょっとしてマイレージポイントのご褒美ということかも・・・?
渇水でも増水でもそれなりの釣果をもたらしてくれるこの川、私が“コダワリ”をもって通い続ける理由がここにある。

滋賀
爽快渓流フライフィッシングに魅せられて