夏アマゴ一里一匹

昔から“夏アマゴ一里一匹”と言われています。
それくらい夏のアマゴは釣りにくいのです。
暑くなって水温が上がると、アマゴ達は食欲が無くなり、少しでも冷たい水を求めて移動したり、或いは底の方でジッとしてしまいます。
避暑地へ出かけたり、クーラーの効いた部屋で昼寝を決め込む人間と同じです。
それでもどこかに暑さに強い遺伝子を持ったアマゴが居るのでは・・と、淡い期待を抱きながら、二十四節季でいう大暑にあたる23日、母なるT川へ出かけてみました。
標高500mのT川上流部は湿度をほとんど感じないくらい爽快で、昼食後に木陰で昼寝をしようとすると寒さを感じるくらいです。
朝6時に現地に到着し、一発大物を狙って、核心部である中流部の青い橋までの区間に入渓しました。
同行は先週の打波川釣行で膝に負傷をし、まだその傷が癒えていないN氏です。
水量は思った以上に多めですが、水面には朝もやが漂い、幻想的な雰囲気がムードを盛り上げます。
朝まず目の静寂の中での第一投。いつものことですが緊張感が走ります。
しかし、瀬の好ポイントでのファーストヒットは、12cmほどのアマゴです。
その後も釣れてきたり、ヒットして来るのは、10-15cmのチビアマゴ達ばかりです。
これも人間同様、暑さに強くて元気なのはチビッ子ということなのでしょう。
早々にその場所を切り上げ、本流はどこも同じと判断し、支流の奥川並川へ転進することにしました。
途中、鮎釣りに来ているはずのF氏を探すも見当たらず、とりあえず、閉鎖してあるゲートをこじ開けて上流を目指します。
こちらの方は、ほぼ平水。岐阜ナンバーのパジェロが中ほどに1台あったので、さらに上流部へ。
ここで蜘蛛の巣と戦いながら、21cmと18cmに15cm以下を2匹。
050723-1
21cmの幅広アマゴ どう見ても25cm以上に見えます
本流より水温が若干低い分、反応がいいようです。
N氏にも良型が何度かヒットしましたが、残念ながらフックアップしませんでした。
そして、夕方はいつものマイポイントへ。
しかし、ここもチビさんが相手をしてくれるだけです。
やはり、夏はもっと標高の高いところでのイワナ狙いというのがいいようです。
今回、多くのチビアマゴ達との出逢いがありましたが、チビとは言え、どれも体高のある幅広アマゴです。
T川アマゴとして、太古の昔より確実に世代交代を繰り返し、幅広のDNAを継承していることを確信し、満足した一日でした。
来年か再来年には再び私と出逢い、3番ロッドを引き絞ってくれることを祈りながら、涼風の吹き抜ける渓を後にしました。(O)

滋賀
爽快渓流フライフィッシングに魅せられて