必釣!ジャイロキャスト・・・?

京都府・滋賀県・福井県の県境にある三国岳に源を発し、若狭湾へ注ぐ由良川は京都府北部を動脈のように流れる銘川である。
春には鮎が遡上し、秋には鮭が上る川としても知られ、最上流部は京大の演習林として入山が規制されている。

今回、訪れたのはその中流部にある支流の上和知川。
和知川漁協の管轄でアマゴが成魚放流されており、最上流部には『アマゴの里』という私設の放流釣り場がある。
この川の情報提供者であるK君の情報によると、“水温の上がらない5月の連休までならそこそこ釣れますよ!”とのこと。
また、あるショップのT店長が行けば20匹は釣ってくるという裏情報も・・・?

桜も散りはじめた4月14日、気軽な単独釣行は“まあ、顔が見れたらいいか・・・”
といったのんびり気分で家を出たが、風がやたら強いのが気になる。
国道27号線から分かれて7km程入ったところにある『ウッディパルわち』というキャンプ場に到着したのが9時半。
最上流部にある『アマゴの里』の手前まで一通り川を見てきたが、全体的に川幅もなく落差もない里川で、舗装された道路や民家が近くにあり、正直言ってロケーションとしては・・・?という感じ。

入漁券を取り扱っているIさん宅へ伺うと、“もうアマゴの入漁券は置いてないし、監視員ももう来ないから自由に釣っていいですよ・・・!”とのこと。(秘)
そろそろ鮎の準備を始めるらしく、“鮎釣りが始まったらまた来てネ・・・”と言われてしまった。

少し得した気分で、『ウッディパルわち』の下流部にある橋の下から川へ降りた。
水温を計ると10℃、流れの少し緩いところに落ちたフライに飛びついたのは思った通り小さなカワムツ君。
気を取り直し、今度は流れの少し速いところへフライを落とすと、いきなり水面が割れた。
22cm位の白っぽい放流アマゴだったが、早々に1匹釣れて俄然やる気になった。

22cm-2

しかし、こちらのやる気をあざ笑うように強風が前から後ろからと襲いかかる。
アマゴの居つきそうな流れの筋へキャストしようとしても、風の影響でどこに落ちるかわからない状態。
松坂ではないが『ジャイロキャスト』とでも言うのだろうか・・・?
筋を外すと決まったようにウグイ、ハエ、カワムツの餌食になるし、外道とわかってフックアップしなくても、向こう合わせで釣れてしまうというすさまじさ!
1時半まで粘って、何とか18-22cmのアマゴを5匹キャッチした。

18-2

いつも外道のほとんど釣れない川でやっている中で、この状況は少し辛い。
木陰で昼食を済ませ昼寝から目覚めると3時になっていたが、年齢のせいか川へ戻る気が急に萎えてしまった。
ただ、アマゴの魚影はそこそこ確認でき、型もそろっているし、上流へ行けばこの川の在来種であるネイティブヤマメも姿を見せるに違いないのだが・・・。

この日、高見川仙人のNA氏からは、二桁達成の連絡が入った。
同様に、安曇川番人のNO氏からは、25cm筆頭にそこそこの釣果があったとも。
皆さん、そろそろ本格的に動き出したようで・・・。
帰り道、川岸にスイセンが2輪、『また来てネ~♪』と、揺れていた。(O)

suisen