春と冬の間で

三寒四温とは言うものの今年の春はいったいいつから始まったのかさっぱり見当が付かないままもう桜も見頃を過ぎてしまった。
気の早い桜などうっかり春の陽気に誘われて咲いてしまったものだから、まさかの冬へ逆戻りに花見の客も付かず参ったなと悔やんでしまったに違いない。ところがどっこい、あいつはいつも気が早くていけない物事はきちんと見極めてから行動しないとアカンでと慎重派の桜がそろそろいい頃だなと咲き始めてみたがさしもの慎重派も更なる寒波におろおろするばかりで、これなら桜前線のトップで潔く咲いて散ったほうがましだったなどとこれまた後悔したのだろう。

そんな訳の分からない春の訪れについつい出遅れてしまった私の今期の初渓流、去年の秋、来期に備えて冬場に足腰の鍛錬を欠かさないでおこうと決意し10Kgほどの水を背負って1時間ほどの早足散歩を始めたが2週間と続かず、毎年の事ながらヨタつく足での初渓流となってしまった。
前日、N氏から湖北T川へお誘いがあったのだが気合が入らず丁重にお断りし石田川へ朝遅くから出る。
途中、T川は増水でさっぱりだとN氏から電話が入りリバーランズ角川で合流してK谷へ入ろうということになった。

P1020028

待ち合わせ場所のリバーランズ角川はお休みであった、この時期の土曜にお休みとは何かあったのだろうか?、先週行った時には何も言っておられなかったが、と心配しながら石田ダムまで走りダム上流へは1台で行くことにする、CO2排出量削減のためである……???なにはともあれ

K谷ゲートにはGamakatuステッカーの車が1台、釣りだと容易に判断できるのでこういうステッカーはなかなか気が利いていて役に立つ。

P1020026

P1020025

上流を諦め、出合付近から入渓しようと思ったが、分岐の広場にテント張りの車が2台あったのを思い出し確認に行くとこちらは美山キャッチアンドリリースのステッカー、丁度昼食中の様子でもうひとしきり攻められた後に違いないと判断、本流第2堰堤上流までまたまた逆戻り。戻る途中でこれから入渓しようと下流へ歩く釣り人を見かけるが我々が入ろうとしている区間までかなり距離があるので遡行してもバッティングする心配はなさそうであった。

第2堰堤上の駐車スペースで弁当をかきこみいざ出陣、急斜面に親切にもロープを残置してあったのでいつもより楽に入渓出来た。
いつもながら春一番の3番ロッドはスカスカに軽い、ラインはクワイエットダブルのまた新製品、毎年毎年新製品を出さないといけない精神は分かる気もするが私的にはクワイエットダブル1が一番使い易かった、定番で行ってくれてもいい商品もあるのになぁという消費者もいることをつぶやいておきたい。

第2堰堤から第3堰堤までの区間はだらだらと瀬と淵が交互に出来ているが魚のいる場所はいつも同じである。お前らここしか知らんのかというくらい同じ場所から出る。ので、まず1発目N氏に出してもらおうと出場所を譲り先の淵でラインの調子を確認してみる。
出場所にN氏がフライを流すが反応がないようだ、今の時期はどこも相当攻められているようでこの出場所で出ないとなると先が思いやられるなと思いながら第2出場所へN氏がフライを打ち込んだ、パクンといった感じで少しもプレッシャーを感じさせない出方で食ってきたのは22~3cmのアマゴちゃん。フライはエルクカディス#14だという。ええ?もうエルクカディスですか?

CA340187

あの出方なら少しは期待出来そうだと次の出場所は頂こうと上流に眼をやると釣り下ってくる長竿が…さっきの釣り人かぁ…思いも寄らんことしよんなぁ。
先へ行っても出る見込みもないのでまたまたまた戻る。ロープのお陰で急斜面の登りも楽だったが風化しやすそうなロープだったので切れる可能性もあることを頭に入れて上手く利用していただきたい。

残るはバックウォーターから第一堰堤間のみとなったが水量が少し多いのとあまり釣れない区間であるのでパス、K谷合流から残り物を拾うことにした。
毎年ゴールデンウィークの頃は残雪や雪による土砂崩れで行けないのにK谷にこの時期に入れるということは温暖化は確実に進んでいるのだろう。

P1020030

稚魚のような成魚のようなアマゴを2~3匹拾う、お初はこんなものだろう。

P1020024

P1020031

エルクカディスからQBPに変えたN氏にイワナが来た、やはりまだエルクカディスは気が早かったんじゃないですか?

P1020032

と思いつつ気の早いアマゴもいるようなのでターゲットの差別化には有効かもしれないなどとしょうもないことをまた今期も悩まなければならない季節の始まりである。