滋賀愛知川茶屋川支流古語録谷でストーカーになる

土曜に仕事が入り遠出も少々疲れが出てきたのとアブの最盛期でもあるのでM氏と近場でお茶を濁すことにした。
茶屋川と古語録谷の出会いに7:30頃到着

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林道を15分ほど歩いて谷へ下りてみると水量が以前の半分ほどになっている、と思ったが砂が大量に堆積していたのである。おそらく昨年の大雨や台風の仕業であろう。
あまり期待もしていなかったし、のんびりいこうやって事であったのでとりあえず竿を振り振り釣り上がっては見たものの全く何の反応もなく堰堤を1つ越え滝を1つ越え…のんびりとやろうと言いつつ川へ入ると頑張ってしまう貧乏性。
この谷は堰堤群が出来るまでは半ゴルジュ態の険しい谷であり中流部の滝まではアマゴ、それ以遠はイワナの釣れる美しい谷であったが砂防の為(全く効果はないが…)500m程の間隔で堰堤が造られ、かつての渓谷美は見る影もなくなってしまった。日本全国どこへ行ってもこのような風景は見られる。美しい国土を削って懐を暖めた輩たちにはこの景色がどのように写るのだろうか…
懐の暖まらない貧乏性はまた1つ堰堤を越え、何とか1尾毛鉤に食いついてくれたが慣れない7Xティペットが合わせ切れしてしまった(–;

砂で埋まってしまった滝つぼ

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ドライフライで滝つぼや堰堤下を狙う場合、まず浅い流れ出しの流心から順に探っていく。いきなり深い場所を狙いに浅場に近づくと”何もいないジャン…てことに。

渓流魚はこの厳しい環境の中でも何とか子孫を残しているようであるが限界も近いように思われる。。遠い太古の頃より陸封された彼らは幾度もの環境の変化に翻弄されながらそのDNAを繋いで来た、我ら人類が地球を席巻する遥か昔から生き抜いてきたのである。我ら人類の文明は人類にとっては短期的には生き易く快適なように見えるが、渓流魚のように長い間地球に生き残ったもの達ですら耐え切れない環境破壊が起こっているのだと、このような渓谷に立ってみると思い知らされる。

水量が極端に少ないので少しでも近づくと逃げてしまう。逃げ場所に困ったイワナが小さな石のくぼみに頭だけ突っ込んで尾ひれを見せているのもいた。手で掴もうとすると慌てて下流へ遁走するのである、なんともイワナらしいひょうきんさが可愛い。
近づくと逃げる、遠投で狙うには流れが複雑すぎてドラグフリーが維持できない、もうこのような状況では背後から姿勢を低くして静かに気づかれないように限界まで近づいて一発でポイントにフライを打ち込まなければ勝負にならない、暫く忘れていたストーキングが重要な要素になってくる。ストーキングで近づき一発で決める快感は又違った渓流釣りの一面でもある。ストーキングしているときの息も殺してしまう緊張感、そしてぎりぎりまで背後に迫り、襲いかかる…いや、釣り上げる。この快感はあたかも…、これ以上はこのブログの品位を下げかねないのでやめておこう。
ストーキングで重要なことは魚から水面を通して見える角度内に入らないことである、確か魚に対し15度以内は見えないはずだが記憶に確信はない。とにかく低い姿勢で近づくことである。そしてフライ特有の注意点がひとつ。ラインを出すとき何度もフォルスキャストをしない ! 出来れば1回でフライを的確に落とすことが重要である。これはストーキング時に限らず常時気を付けたいことである。ジージーとラインを引きずり出しながらフォルスキャストを繰り返しフライが水面に落ちるまで5回も6回もフォルスキャストをすれば釣れる魚も逃げてしまう。誰かが言っていたが空中に魚はいない。ラインはあらかじめリールから飛ばす距離の分を出しておいて1回フォルスキャスト2回目はシューティングで決めるくらいのキャスティングはしたいものである。少々距離があってもダブルホールでパワーを稼げれば3回くらいでどうにかなるものである。
講釈が多すぎたようだ。m(–)m

上流に行くに従い走る魚影は増えてきた、フライにも何度か反応してくれるのだが食いつきが悪い、なんともいやらしい出方なのである。フワッと浮いてきてツンである。全くフッキングしない。フライサイズも落としてみたが反応は変わらない。
M氏にも堰堤下の溜まりで出たがフックアップ出来なかった様である。中にはフライの下で出ようか出まいかかなり迷ってウロウロする奴もいてまぁそれなりに楽しませてもらった。

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小さいアマゴしかキャッチできなかったのでこれを見てもらいたい、砂が真っ白なので魚も白い、イワナを撮れればもっとよく分かると思うが透明に近い白さである。さしずめ美白美人であろうか。

何だかんだと釣れなかった記事をだらだら書いてもしょうがないので結んでしまう。
のんびりやるつもりがほとんど源流近くまで上がってしまい帰りに2時間近くかかってしまった。帰りの林道の崩壊箇所が2箇所、アップダウンのきついこと…
近場でのんびり釣りをしたいときは釣れなくてもいい覚悟が必要であるな。お茶は充分に濁った。
この谷は増水後に期待していい谷である。

滋賀
爽快渓流フライフィッシングに魅せられて