諦めるのもいいもんだ

取り敢えずこことここは行っておきたいという谷も残るはひとつ。
SNM !
1番じゃなくても2番じゃなくても3番までなら奥へ行くぞ!と張り切って毛鉤を巻いた。
エクステンドがやはり反応いいなとI谷で久しぶりに使った時感じたので今回は数本巻いて行こうと思ったのがいけなかった。やはり時間がかかってしまう、おまけに先週使えそうな毛鉤を全て使ってしまったので普通のQBPも巻かなければならない。
巻き終わったのが3時、SNMに1番なんて到底無理。まぁいいか、何番でも取り敢えず見に行っとかんといかん。
林道終点の堰堤に着いたのが7時前、3番であった。釣れそうな所まで上がって、そこから帰りの体力の残せる限界まで行ってみようと弁当持ちで準備完了。
取水堰堤を越えて上流の川を見て唖然とした。取水堰堤下の水量から想像していたよりかなり水量が多い。ほんの10~15cmほどなのだが、深い瀬の多いこの谷ではこれだけでもかなり大変だ。渡れる瀬が少なく、何よりフライを流せるポイントが無いに等しい。
堰堤の上で随分悩んだが、行ってみるしかない、行ける所まででいいから行こうと決めた。2台先に行ってるのだから行けるはずだ、ただこの2台は地元ナンバー、こちらとは土地勘が違うから同じように行けるとは限らないことは肝に銘じておかなければならない。
釣れそうなポイントは取り敢えず毛鉤を落としていくことにした。が、思ったとおり皆目反応がない。
ほんの10分か15分行ったところでこんな光景が。

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こんなところにまだこんな巨大なスノーブリッジが残っているなんて…正直ビビってしまった。

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上流から見るとこうなっている。

巻きや開き、流れの緩くなったポイントを満遍なく攻めてみるが全く反応なし。瀬のポイントが続くのでまだ背の低いブッシュを抜けて淵のポイントに出てみると心なしか濁りが、しかも水量が急に落ちているような…ヤバイ。さっきのようなスノーブリッジが幾つもあるとしたらいつ鉄砲水が来てもおかしくない!という思いに取り付かれてしまい急いで降りにかかる。這々の体で堰堤までたどり着いたが、さして濁りがひどくなっている様でも無し、水量が減っている様でも無し、はぁ~やっぱりビビってしまってたんやなぁ。
まぁしかしビビりもって反応もない釣りをしていてもしょうがないので丁度良かった、下流の水位の低いポイントでもやろうと林道を下りつつ空いている場所を探すが既に満員御礼状態。一番期待していたポイントではルアーを投げまくっている。
唯一、老師御用達ポイントの橋から堰堤までが空いていたので入るが、ここもまた反応が悪く堰堤手前まで魚影を確認できなかった。フライをエクステンドに変えてみる、途端に反応が出だした。が、20cm程のが2~3尾釣れただけであった。

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あかん!SNMでは今日はもう釣れん、昼飯でも食って昼からの段取り考えよ。

ビール飲んで腹いっぱいになるといつもの睡魔が…天気もいいし暑くも寒くも無く昼寝にはもってこい、で目が覚めたのが3時前。
この時間から転向して結果が出せる場所はないか?…無い! ええいもういい。ここで今日は玉砕しよう。中流部を見に行って空いてる所に入ろう。小さいのでも数匹出てくれたらええ!玉砕でもしょうがない。
ということで中流部を見に行ったら、既に皆さんお帰りになって、どこでやってもOK状態。ルアーの後はアカンやろけど暗くなる寸前に一縷の望みを託しボチボチ時間潰しに入ってみた。いつもなら3回流して反応無ければ次行こうだが、中途半端に時間があるのでじっくり何回も流しながら探る。出ないだろうと思っていたが、ポワンと水面が盛り上がり毛鉤がスッと吸い込まれた。かかったのは20cm程のイワナ、その後も同じ感じで同じようなサイズがボツボツ上がる。
全くダメだろうと思っていたのでこの程度でも御の字やと言い聞かしノンビリ釣りあがる。
浅い淵の開きなら4~5尾あがるところもあって、これはこれで面白いなと気分がよくなってきた。
次第にポワンがキラっとなりグルンとなってきだした。サイズも22~23とましになってくるし。ん~、いけるんちやうか?
そうこうしている内に瀬からもいい型が飛び出してみたり、巻きのポイントから27cmが出たりと気が付くと15尾ほど掛けてるヤン。

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6時を回った頃からポイント毎に掛かりだして、これって入れ食い?状態になってきた。やっぱりエクステンドはいいぞ。確認のため普通のQBPに交換して反応を比べてみる。普通のQBPでもちゃんと出る。なんや、単なる思い込みかい、フライがいいのではなく、時刻がよかっただけだった。
尺まではいかなかったが26~27がそこそこ上がり完全に諦め状態だったのが嘘のように気分のいいイブニングが出来てしまった。
30尾はいかないが20尾以上は確実に掛けている。
バタバタとライズ目指してキャストしまくるのがいつものパターンだが、こんなノンビリした気分でじっくり攻めあがるのもなかなかいいものだ。
朝の水温6.4度、イブニング時の水温11度、6.4度は上流域の水温なのでもう少し高かったかもしれない。
完全に諦めた状態から大納得の上機嫌で終えられた。イワナという奴はほんとに解らない時があるが、こんなことがあるから止められない。