雑食系

今期も早9月、シーズン最終月を迎え、あの渓にもこの渓にも行きたかったな、行きたいなと後悔と希望が交錯する悩ましくも気だるい作戦会議が渓流狂いの脳内を支配しだしてくる。
アブを避けて8月全てを鮎に費やし、ここ数年は鮎好きのご近所さんにも野鮎の美味しさを御裾分け出来ていなかったが、思いもよらず鮎釣りに傾倒してしまったog氏と二人係りのお陰で、御裾分け出来るだけの数を確保出来、久しぶりに喜んで頂けたのではないかと独り善がりしていたところへW氏T氏ご両人のアブなど気にも留めないという情熱のSNM上流攻め決行の記事に触発され、何が何でも今期もう一度SNM攻めをしておかなければならないと思っていた。
老師から明日はどうします?のメールが入ったのは金曜の昼過ぎ、SNMをやろうと思っていますと返すとすぐにW氏もSNM尺リベンジに意気込んでいますと話は決まり4:30取水堰堤到着の段取りになった。
夜明けは5:00、4:30到着なら先行逃げ切り出来ると思ったが甘かった。取水堰堤車止めには既に2台先着があり、1台はもう出発済み、もう1台の3人組みも支度に掛かっていた。もしかして沢登りならと一縷の望みで「釣りですか?」と聞いてみたが「はいそうです!」ときっぱりと望みを絶たれてしまった。
アブも一段落する9月最初の週末、そう簡単にSNM一番乗りなど出来ない事は良く分かっているはずだろ?
希望的観測から5分々々で一番乗り可能かと思っていたが、もし2番手3番手なら予備の作戦として午後狙いも視野に入れていたので老師・W氏に中流部で午前中お茶を濁しつつ昼寝でもして寝不足を解消しておいて昼からイブニングまで目一杯遡行して懐中電灯で帰ってきましょうかと提案、両氏ともいまさら他へ転向してもしょうがないのでそうしようということになり、夜明けを待って中流部をボツボツ攻め始めた。
入渓してすぐに一発目25cmが派手に飛沫を上げて食ってきたので中流も割りとありか?と思ったが後が続かない。
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暫く無反応が続き30分後に老師に2発目
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1時間後にW氏に3発目が来たがこれは惜しくもバラシ、その後も全く反応がなく魚影さえ確認できないので3人とも嫌になってしまった。
水温は結構低いが水量が少な過ぎる、それに我々の後から上流へ向かう車が5~6台続いて1台も帰って来ない、ということは3番手4番手…とみんな不発覚悟で上流部へ入渓したのだろうか。もしそうなら昼から作戦も成り立たなくなる、それに中流部の状況から渇水が長期化していることも伺えるので6月7月のような活性は望めないと判断した。3人ともこの判断は一致し早期にSNMを撤退、尾添水系かダム上流部の隙間を狙うことに。
まず目附谷出会い付近の堰堤間を覗いてみたが水がほとんど動いていない。思えばこの猛暑、北海道を除いて日本全国ほとんど雨が降っていなさそうな8月の状況ではどこへ行っても同じか。
この時点で釣欲喪失、涼みがてらK谷で遊びましょうということになった。釣欲喪失で運転していた私は猛烈な睡魔に襲われた、K谷第5橋から入渓する2人を見送り暫し仮眠を取ることに、日陰に止めた車は窓を全開にしているだけで涼しい。即爆睡状態に入り何だかいやらしい夢の丁度これから良いところに差し掛かろうとした所で帰ってきた老師に起こされた。2時間が経過していた。
第5橋から堰堤まで距離にすると300m程だろうか、この区間で5~6回反応がありヤマメを1尾Hitしたらしい、何にしろ反応が有って良かった。
昼食後また昼寝した後堰堤上流部をやるが反応はあるもののなかなかフッキングに至らない。

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ここも例に漏れず渇水、ウェットシューズでやっている私とW氏もひんやりとした感触さえ感じない。水温を計った老師によると20℃らしい、この高度で20℃では諦めろといわれているようなもの、3人1尾づつ掛けて最後の希望の星、市ノ瀬駐車場横の本流攻めへ向かう。

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ところがこのどこへ行っても渇水という状態のなか水量は平水に近いが濁りがひどいので、Y谷川へ入ってみたがこちらは増水と濁り続きで石に泥がかぶった状態で老師と私に1尾づつ出たのみ。

日が暮れるまであと1時間、M谷川のいつものポイントで出なければ諦めも付くと思い急いで転向、そろそろアイにティペットが通らなくなる時間帯、一つ二つライズはあるが散発的過ぎるほど散発的、ライズポイントを狙ってまずW氏が位置に付く、いつもの定位置に老師が、流れ込みが有利かもと最上流部に私が付いた。
ライズポイントを狙っていたW氏に1発出たがフッキングしなかった模様。
流れ込みを狙った私、1発目のキャスティングに超小物(5cm程の)が大ジャンプして反応、2発目も同じようなのがスプラッシュ、3発目もまた同じ。小さいのが溜まっているようだ、諦め掛けた4発目にゴボンと食いついたのがフッキング、引きはイマイチ弱いが重い。ランディングしてすぐに尺あるなと思った、計測すると31cm。
尺にしては引きが弱かった、彼らも夏バテなんだな、食いも悪くなるよなぁこの暑さは。

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続いて老師が流れ込みを狙うがなかなか出ない、粘りに粘って引き出した。1尾
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W氏も流れ込みを狙うが狭いポイントから2尾出した後なので厳しかったようだ。7時まで粘ったがギブアップ。しかし今日一番数を釣っているのはW氏なのだ。トイレの神様は女性を綺麗にしてくれるそうだが、渓流の神様はみんなに優しい、草食系の鮎も肉食系のアマゴやイワナも、そして両方狙う雑食系のオッサンにも。