50の手習い

また一人、フライ地獄に手を染めた人間がいる。
それも50歳を越えてからという遅咲きフライフィッシャーの誕生である。

3月21日、3連休の真ん中の土曜は好天に恵まれた絶好の釣り日和となった。
今年の初釣行、まだどこも水温が低く、ドライフライではかなり厳しいのは承知の上だが様子見がてら慣れ親しんだT川へ向かうことにした。

9時過ぎに漁協へ到着、年券を購入しはやる気持ちを抑えつつ上流へ向かった。
今年は雪が少ないせいで雪代も少なく、水量は平水よりやや増水気味といった感じで濁りもましである。

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集落の先にあるトンネルを抜けた辺りが空いていたので車を停めて入渓。
水温は4℃、早々にドライをあきらめ、マーカーを付けてヘヤーズイヤーを結び、緩い流れや淵を丹念に攻めた。

冒頭で紹介したW氏にとっては、まさに初めてのフライフィッシング。
二度ばかりキャスティングの練習に付き合っただけだったが、結構器用で何より熱心、まだ未完成とは言えダブルホールも様になりつつある。
でも、釣っている時間よりトラブッている時間のほうが長いのは仕方がない。

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12時過ぎまでやって何の反応も無かったので昼飯にすることにした。
車に戻る途中で橋の上から川を見ると、流れの中に定位しているアマゴが3匹ほど見えた。
すかざず川へ降りアマゴの真上を流したものの、すっかり無視されてしまった。

ポカポカ陽気の中での昼飯、この時期はお湯を沸かしてカップヌードルを食べるのが定番。
食後のコーヒーをゆっくり味わってから、今度は下流に移動することにした。

朝から餌釣りとおぼしき車が何台も行き来して、相変わらずこの川の人気の高さが伺える。
途中で出逢った餌師は小ぶりのアマゴを何匹かキャッチしていた。

集落の真ん中辺りまで移動し、キャスティングの練習も兼ねることができる恰好のポイントを見つけた。
好天の影響で水温も6℃に上昇している。

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しばらくニンフを流していたらライズを発見。
あたりを見回すとユスリカが大量にハッチしている。
手持ちの中で最も小さい#23のミッジを8Xのティペットに結び、気合を入れてキャスト。
小ぶりのアマゴが2匹見に来たが、直前でユーターン。
ドラグがかかってしまったようだ。
ライズも散発的で何度も流すうちに消えてしまった。

4時を少し回り陽もかげり始めたのを機に本日はストップフィッシング。
残念ながらアマゴと出逢うことはできなかったが、半年振りに流れの中に身を置き、川の匂いを嗅ぎながらキャスティングする事ができただけで今日は満足。
5月に入り水温が安定する頃に再び訪れよう。
その時まで餌釣り師達の針から逃れて残っていてくれることを願って・・・。

滋賀
爽快渓流フライフィッシングに魅せられて