2007年FF閉幕、幻の尺

2週連続でU川の光と風の中にいた。
2007年のフライフィッシング、有終の美をどこで飾るか・・・、迷うことは無い。
前回あまりパッとしなかったH温泉下だが、潜在的な魚影は濃いはずである。
今回ご一緒するのは、先週の釣行会を仕事で断念せざるを得なかったNさん。
定年を1ヶ月後に控えて、ここで何とか一発大仕事を・・・と鼻息が相当荒い!
先週堰堤狙いが功を奏したF氏は、風邪であえなくダウン・・・。

辺りが少し明るくなりだした5時、エルクヘアカディス16番を結んでいた。
今週も目立った雨はなかったせいで水量は依然少なく、ちょっと厳しい感じ。
あまり期待もせずラインコントロールしたフライを流れの筋に乗せると、いきなりモッコリと顔を見せてくれたのは20cmのイワナ。

20070923162045

そしてすぐに22cmをキャッチ、今日はいける!・・・という気になった。

20070923162121

恐らくこの一週間の間誰も入っていなかったのだろう。

普段、滋賀県のA川やT川などの里川中心に釣行しているNさん、こんな広々とした山岳渓流は久し振りとあって、ちょっと戸惑い気味。

No
Og

しかし、そんな心配も杞憂に終わった。
25cmをランディングネットに無事収めて、笑顔がこぼれている。
フックは16番なのに全体のボリュームはどう見ても14番という、怪しいエルクヘアカディスが物を言っているようだ。

そしてすぐに続けてヒット。
今度は、ロッドが大きくしなって弧を描いている。
『大きいわぁ・・!』の声に傍まで近寄って魚を見ると、尺ありそうな雰囲気。
すぐにデジカメを取り出し電源を入れた途端、走り回るイワナが岩の陰に逃げ込み、ティペットが岩と岩の隙間に挟まってしまった。
暴れるイワナをネットで掬おうとしたその時、無情にもフックが・・・。

しかし、そんな悪夢を忘れさせてくれるように、その後順調に25㎝、26㎝のイワナがNさんのロッドを曲げてくれた。
結局最終の堰堤まで釣り上がり、私は25㎝が2匹混じって全部で11匹。
Nさんも26㎝を2匹に25㎝以下を合わせて8匹キャッチと上出来だった。

20070923162239
N26

時間はまだ10時前、お昼までもう一勝負ということで下流へ移動。
先週H氏が27cmをキャッチしたポイントが気になり、そこへ入った。

そのポイントだが、27-8㎝の真っ黒なイワナが浮上してきて、フライを銜える寸前でUターンを繰り返し、すっかりイワナにもてあそばれてしまった。
しばらく粘ったものの反応が無くなったので諦め、その少し先へ移動。
落ち込みの肩で我慢しきれずに飛び出したのが本日最長寸の28cm。

20070923162539

こういうサイズに出逢えると、本当にはるばる来てよかったと実感する。
ここでは、私が23cmを追加して2匹、Nさんも22cm前後を3匹釣っていた。

1時に昼食のため先週同様I谷を少し入ったテン場へ移動。
昼寝を含めゆっくり2時間休憩。
清流の流れる音、コオロギの声、遠くで行く夏を惜しむように法師蝉が鳴いている。
こうしたマイナスイオンが溢れる木陰で昼寝を貪るのが、釣り人の特権である。

N Sleep
Nさんは、幻のように消えた尺イワナを夢の中で追いかけているのだろう・・?

夕まずめは3時からスタート、今季最後だけに自然と気合いが入る。
攻める場所は、当然ながら先週F氏が実績を残したI谷堰堤群。
テン場から続く第一堰堤は全く生体反応が無く不発、その先の第二堰堤では20cmクラスが一匹見に来たがやはり不発。
『おかしいなぁ、こんなはずないんやけどなぁ』
第三堰堤では1回だけアタックしてきたがフッキングしなかった。

先週の昼飯時に繰り広げられたF師の講義『堰堤の攻め方、5段活用』をもっとしっかり聴いておくんやった・・・、と悔やんでも後の祭り。
【①魚の居付く筋を流せ】、【②底に起伏のある場所を流せ】、【③水の落ち際を流せ】、
【④決してドラグをかけてはいけない】、【⑤・・・・・???】
結局第四堰堤も不発に終わり、辛抱たまらず林道へ這い上がった。
堰堤を攻める場合、次の堰堤へ行くための巻き道が分かり辛く、又体力を消耗する。
二人ともへとへとになって車まで戻ったが、時間はまだ5時。

最後の最後は本流下流部をやることにし、下U地区まで移動、支流のT川が合流する辺りの少し上手に架かっている橋の上下に入った。
そこでいきなり私にヒットしたのが、なんと18cmのアマゴ!!

20070923162716

ヤマメなら理解できるがまさかアマゴとは・・・。
その後暗くなるまで粘って、同型のアマゴを2匹とイワナを1匹追加して納竿。
Nさんは、最後に22cmのイワナをゲット、一瞬起こったスーパーハッチによるライズを見逃さなかったのは流石である。

強行スケジュールをついて2週連続のU川釣行、老体にはかなりこたえたが、思いのほか好漁で、ユンケルパワーの助けもあって疲れ知らずの帰路であった。
来年もし雪が多ければ尺クラスが数多く居残っていて、もっと愉しい釣りが出来るはず、そんな淡い夢に想いをはせながら、2007年FFの閉幕となった(O)

福井
爽快渓流フライフィッシングに魅せられて