2010年FF開幕、寒狭川

京都渓流倶楽部!・・・、いつの間にか立派な名前がついていた。
重厚でクラシカルなネーミングで何となく面はゆい気もしないではないが・・・。
面倒くさい会則や会費は無く、足腰も弱くなり老眼に苦しむ世代が老体に鞭打ちながら好きなときに集まって渓で遊ぶ。
そんなユルさと気安さで集まったメンバーがすでに9人も居たとは・・・、オフは野球でもしますか?

さて待ちに待った2010年フライフィッシングの開幕、3月20日にまず手始めに出掛けたのは愛知県を代表する名川、寒狭川。
中流部にC&R区間を設け、標高も低く早期よりドライでの釣りが期待できる。
私の実家である岡崎市に近いこともあって今回は帰省を兼ねての気軽な単独釣行、朝10時半に日券売り場の三和太屋さんに到着。
気さくなおばさんに釣況を確認すると、ここ何日か雨が続いて少し増水気味だがアマゴはまだたくさん残っているとのこと。
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下流部にあるC&R区間が気になったので様子を見に広見ヤナの駐車場へ向かった。
川をのぞくと居るわ居るわフライマンが6人、一定の間隔を空けて思い思いのキャスティングを繰り広げている。
気配から察するとあまり釣れているようには見えないが・・・。
後から割り込むのも気が引けるので三和太屋さんまで戻り店のすぐ下の川に入った。

ウグイスが鳴き、緋寒桜も丁度今が見頃で、土筆もあちらこちらに顔を見せている。
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陽射しが暖かく風もさほど気にならないので長袖シャツにベストといった身軽な装備で川に降りたが、水温は7℃と水の中はまだ春遠しといった感じか。
ユスリカやコカゲロウのハッチもちらほら見かけることができたので流れの緩いところを中心にパイロットフライのパラシュートを打ち込んだ。

約半年振りになる自然渓流でのキャスティング、嬉しさを噛み締めながらしばらく上流に向かって進んでみるが全く反応が無い。
5月なら入れ食いになるはずのカワムツ君ですらまだジッと身を潜めているようだ。
ライズを探していくつかの淵を見回ったが波紋の影さえ見られない。
1時を回ったので車に戻りおにぎりを頬張った。

少し増水していることが災いしているのかこの時期ライズが見つけられないと厳しい。
何とか打開しようと、支流の巴川へ車を飛ばして見に行ったがこちらも増水気味でロッドを出す気にならなかった。
再び本流に戻り午前中より少し上流部の緩い瀬が続くポイントに入った。
そして第1投、フライが半分沈んだ岩の肩を流れたその時不意にアマゴが飛び出した。
私が合わせ損ねたのかアマゴが食い損ねたのか、無情にもフライは宙を舞ってしまった。
外しはしたものの本日初めての反応に嬉しくなり気を取り直して第2投、なんと再びアマゴが飛びついた。
今度はがっちりフッキング、慎重にネットで取り込んだのは18cm程の放流アマゴ。
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今年初のアマゴに歓びが込み上げる、たかが1匹されど1匹である・・・。
無事カメラに収めてやさしくリリースしたまさにその時、今度はライズを発見。
急に活性が上がってきたのだろうか。
しっかりと眼に焼き付けたライズレーンにパラシュートをそっと落とすとすかさずアマゴが飛び出した。
しかしまたしてもフッキング出来なかった。
その後2度続けて出たが何故かフッキングできず“なんでや!”と思わず叫んでいた。
放流アマゴだけに水面を流れる虫の捕食の仕方に慣れていないのかも・・・などと無垢なアマゴに責任を押し付けてはいけないのだが・・・?
しばらくポイントを休めて挑戦した4度目でようやくフッキングに成功。
23cm位はありそうな良型だが、それにしても食い意地の張ったアマゴだ。
流れに乗って下流へ走るのをこらえ、さあ取り込みにかかろうとした瞬間、首を振られてフックが外れてしまった。
2010年初のバラシ!、今年は何匹バラすのだろう・・・?

その後、反応も無くなり風も強くなってきた午後4時、ロッドを納めた。
ここ寒狭川中流部漁協のエリアはこの季節、水量が少なめで水温さえ安定すればもっと愉しめたはずだったのだが・・・。
“5月にはここよりさらに上流部のエリアへイワナ狙いでリベンジに訪れよう”そう誓いを立ててまだ明るさの残る渓を後にした。