2012年秋、釣行会

爽快渓流クラブの毎年恒例行事となった秋の釣行会、今年も南信州OTG川。
いつものように美味しいものを食べたり飲んだりしながらのリッチな釣り旅。
ただし、今回はいつものメンバーに加えY君が初参加し6人での例会となった。
近場のフィールドで練習を積んだY君にとって今回がデビュー戦となる。

Bird氏がN老師を拾って大津ICから向かい、WとT業師にY君と私は京都南ICを1時半に出発、駒ヶ根IC近くのコンビニに4時半集合という段取り。
到着後二日分の日券と朝食を購入し、まずはお目当てのOTG川本流へ向かった。
上流、中流、下流と3組に分かれて入渓したのは、辺りがようやく明るくなった頃。

このところの晴天続きである程度予想はしていたものの、川に降りて水の少なさに驚いた。
平水であれば至るところ好ポイントのはずが、ほとんどチャラ瀬状態。
わずかに残されたポイントも20cmを超えるサイズは岩陰に隠れてしまい、たまにフライに反応するのは警戒心の乏しいチビアマゴにチビイワナたち・・・。

上流部へ向ったBと老師組は通行規制の手前に車を置き上流部へ入る第1カーブまで歩き1番乗りできたが、連日の入渓を容易に知ることが出来る足跡に不安がよぎる。
入渓直後に淵の流入脇で1尾20cmを拾う、その後すぐに老師に良型のアタックがあったが2度空振りしてしまい後は音沙汰がなくなった。

P1040190

岩盤状の川床に大石がゴロゴロと点在しその間をとても綺麗な水が流れている。あまりの透明度に少し近づくとイワナに気付かれて走られてしまう。

アタックの数は少なかったが、何とかそれなりのサイズを引き出したのだが写真がボケていた。

P1040192

20120917112641

9時頃まで遡行したがアタックが少ないので我慢できずに下りて来てしまったが、我慢して上流へ攻めあがれればきっといい釣りが出来るに違いない。

12時に味わい工房に集合し釣果を披露し合ったが、そこそこの型を見たのは最上流部に入ったBird氏のみで、他は15cm以下を1~3匹といった超貧果だった。
“釣りだけが今回の目的ではない・・・”と、多少自嘲気味にレストランでの反省会となった。
それにしてもここの地ビールとソーセージ盛合わせは格別、食通を自認するN老師も“ここのハンバーグは抜群!、ご飯や水まで美味しい”とご満悦だった。

昼食後キャンプ場へ移動し、荷物をテントの中まで運んで昼寝。
3時半ころに目覚め、夕まず目ポイントへ移動することにした。
行き先は、Wが仕入れた巡回中の地元の釣り好き警察官の情報。
“YDG川ならニジマスが入れ食いですよ・・・。”と言うことらしい。
“警察官がウソをつく筈がない・・・?”と勝手に思い込んでいざ出発。

ウロウロしながら何とか入渓地点に到着するものの、やはりここも渇水状態。
二手に分かれて粘ったものの、午前を上回る超貧果となってしまった・・・!

og120915

yg

P1040197
紅い朱点のあるイワナ

警察官の情報とは言え、安易に信じてはいけないという貴重な教訓を得ることとなった。
ここを早々に切り上げ、『こまくさの湯』へ直行。
初日の汗と心身の疲れを癒した後は、毎回定番となった明治亭にてソースカツ丼。
テラス席ではすぐ下を流れる清流の音が場の雰囲気を盛り上げてくれる。
8時半頃になってキャンプ場に向かい、ランプの灯りの下で信州ワインを堪能。
長かった1日目が終わった。

翌朝5時過ぎに起床、後片付けをして向かったのは、KGM川。
事前に調べた情報では渓相もよく、KGダム上流部は沢の美しさでも定評があり、日本百名谷にも数えられている。
第一本命としていたKGダム上流部には残念ながら先行者が居たため引き返し、中流部にある清流苑上流部にN、Y、Oの3人が入り、そのさらに上流部へF、W、Tが入った。

確かに渓相は素晴らしい。
ただ、悲しいことにここも渇水気味なのか、釣り荒れているのか、反応があるのはチビッ子たちばかり・・・。
しかし、その憂さを晴らしてくれたのがY君だった。
21cmの幅広アマゴを見事にキャッチしてくれた!!!

20120917111438
Y

そのポイントに入る少し前、NとOによるプチキャスティングセミナーを開催した成果がすぐに表われたのかもしれない・・・?
それにしても、ビギナーのY君がそこそこのサイズをキャッチしてくれたことが、自分のことのように嬉しかった。

その後、Nさんも20cm弱のアマゴをキャッチ、私にも22-3cmのイワナと20cmクラスのアマゴの反応があったもののヒットしなかった。

N19
N,Y

中流部を探る

P1040198

中流部も稚魚アマゴにつつかれてなかなか型を見なかったが20cm程度を1~2尾ずつと振るわなかったので早々に切り上げダム上流部を偵察に行ってみた。

P1040194

いい感じの美しい渓相でイワナ釣りしてるなぁと実感出来る流れだったが、如何せん2番手では型を見ることは出来なかったもののの自慢のカディスに浮いてきた岩魚が居たそうなのでイブニングなら何とかなるのではと昼寝の後再度挑戦してみることにした。

1時に集合し、近くの木陰で昼食休憩。
上流部へ入った3人も厳しい釣果だったが、上流部で出逢った地元のフライマンから貴重な情報を入手、昨日の警察官情報より硬そうだ・・・。

4時前まで昼寝をしてしまい、2日目の夕まず目ポイントは、2組に分かれて別々の川を攻めることにした。
F、N、Tの3人はそのままKGM川の上流部に、W、Y、Oの3人はOTG川に戻って本流の核心部にそれぞれ入ることにした。

渇水と多くの釣り人でハイプレッシャーのOTG川だが、夕まず目ともなれば魚影は濃いのだから何とかなるのではと考えたものの甘かったようだ。
それでも5匹のチビッ子アマゴをヒットさせたWは立派なもの。
無反応だったY君、私の方は25cmと20cmクラスのイワナが反応したものの見切られてしまった。

KGM川に残って上流部を攻めた3人もF氏以外は厳しい釣果だったようだ。
KGダム上流部はその入り口だけつまんだだけだったが百名谷にふさわしい美しい谷だった。まだ若かった頃、岐阜や石川の深山を彷徨っていた時代を思い起こした何か懐かしい空気に包まれた綺麗な谷であった。日中に30分ほど様子を見たが反応は無かったもののイブニングともなるとこんな綺麗な谷のイワナたちはきっちり活動を始めてくれるようで業師、老師共に反応を見たもののフッキングには至らなかったようだが、運良くFのみ3尾ほど食ってくれたイワナはその渓相にふさわしい美人イワナだったようである。

P1040199

こうして、6人が参加した秋の釣行会は厳しい釣果ではあったが、何より無事にそして愉しく終えることが出来た。
最後は二組に分かれたが、中央高速阿智SAにて合流し、帰途についた。

中央アルプスと南アルプスの3000m級の山々に挟まれ、夏でも木陰に入ると涼しいこの地域、今は蕎麦の花が咲き、林檎の実が色づく季節。
このあたりを流れる天竜川の支流は、どこでも渓魚たちとめぐり逢うことが出来る。
こんなロケーションの元で老後を過ごせたら・・・と、ふと想ってしまった。