IT川再び

ドライフライによるフィッシングをこよなく愛するフライフィッシャーにとって、最も心躍る季節といえば5月中旬から6月一杯ではないだろうか?
もちろん訪れる川にもよるし、足を運ぶエリアにもよるのだが・・・。
今回訪れたK川最大支流のIT川においては、少なくともそう言い切れる気がする。

昨年同様、老師との気ままな初老男二人旅となった今釣行、まず目指したのはIT川上流部にあるC&R区間があることで有名なT川、昨年爆釣した想い出の場所である。
甘い香りのする5月の風を突き破るように車を走らせたものの、朝一番にのっぴきならない用事があったため、現地到着は10時を回っていた。

当然のことながら人気エリアだけに既に多くのフライフィッシャーに有望ポイント(昨年爆釣した)は占領されていた。
それでも何とか割り込んだポイントで、まず私にヒットしたのは22㎝くらいのイワナ。

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老師もアマゴをヒットさせていた。

しかし、上流へと釣り上ってもすぐに先行者に追いついてしまうし、下流からは別のフィッシャーが釣り上ってくる。
進退きわまって動きが取れなくなったので、やむなく一旦C&R区間を抜けてIT川上流部へ移動することにした。

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上流部で3か所ほど探ってみたが、釣れてくるのは20㎝前後の小型のイワナばかり・・・。
仕方なく元の場所に引き返すと、多くのフィッシャーが昼食休憩タイムに入っていた。
そこで空いていたC&R区間上流部に入ったが、とにかく魚は濃いしライズも頻繁にあるのだが、スレッからしの彼女たちを騙すのは並大抵のことではない。

だが運のいいことに先行者が釣り残してくれた良型イワナがヒットしてくれた。
ひょっとして尺超えかもと思いメジャーをあてると1㎝足らない泣き尺・・・。

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その後何匹かのアマゴをヒットさせ1時半を回ったところでここを後にした。
昼食は予約しておいた下流部にあるMキャンプ場、今夜はここで野営する。

少し休んで4時頃からキャンプ場下流部へ移動し、ここから夕まず目の釣りをスタートさせた。
先週Bird氏が攻めたポイントだが、運よく今日は釣り師の影がない。
早々に老師が25㎝ほどのイワナをヒットさせた。
その後も右岸を攻めていた老師が次々と良型ヤマメをヒットさせるものの、左岸側に回った私には何故か反応すらない。

しかし5時を回って日が傾いてきた頃ようやく私にもヒット、0番ロッドを満月状に引き絞ってくれたのは28㎝の丸々太ったイワナだった。

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その後、23㎝のヤマメを追加し、イブニングは私が上流部の淵へ、老師は下流部の尺ヤマメを釣った実績のある淵へと別れた。

この日は曇り空で水温も9度と低く、ハッチも少なめで、そのせいかライズも極端に少なかった。
それでも対岸の淵際で見つけた小さなライズを何度も攻めたところ、27㎝のイワナが辛抱たまらず飛び出してくれた。

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下流部へ回った老師の方はライズが全くなく、当てが外れたようだった。

このMキャンプ場は広大な敷地面積で、オートキャンプ場やコテージ等が多くあり設備も整っているのだが、この日は他にお客さんもなく我々二人だけの貸し切り状態!
5月も下旬とは言っても夜はまだ寒さが残り、フリースを着込んでのバーベキューだったが、夜のテントの中にも同様に寒さが忍び込んで来るのだった。

あくる朝4時半に目覚めて後片付けを済ませ向かったのは、下流部にあるU川。
今回、バード氏と業師の二人が昨日からSNM川最上流部を果敢に攻め、夜にはU川へ移動して野営するということで、二日目の昼に落ち合うことにしたのである。
我々二人がU川IK谷の取水堰堤に到着したのは朝7時、運よく誰も居なかった。
直下のポイントに降りて一投目に老師が25㎝の、続けて2投目に21㎝のイワナをキャッチ。

幸先良いスタートで、私もその先のポイントで27㎝のイワナをキャッチした。

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その後2-3匹ずつ追加し、本流まで戻りH温泉方向へ進んだところでBird氏の車を発見。
と同時に二人が歩いて戻ってきた。
H温泉下流部に朝一番で入ったものの、後から来た釣り人に上流部へ入られたようで厳しい釣果だったとのこと。

昼まではまだ時間があるので我々は本流のIK谷出合い下流部へ、Bird氏と業師はIK谷へ向かった。

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我々の方は私が27㎝のイワナを1匹キャッチしたのみで反応が極端に少なく、11時半を回ったところで早めの昼食休憩にした。

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IK谷のテン場にて昼食を終え昼寝をしていたところ、1時過ぎにあとの二人が到着。
お互いの釣果情報の交換に至った。

SNM川上流部ではBird氏が尺上イワナをキャッチしたとのこと、水が多く遡行が大変で思ったほど奥へは進めなかったようだ。
夕まず目、我々二人は本流最下流部へアマゴ狙いに入ったものの全く反応がなく、早々に切り上げて再びIK谷へ向かった。

取水堰堤から3つほど下流の堰堤下に入り、それぞれ23㎝までのイワナを2-3匹ずつキャッチし薄暗くなってきたところで、帰路についた。
後で分かったことだが、他の二人組もU川本流中流部を早々に終えてIK谷へ来ていたようで、我々のすぐ下流部を攻めていたとのこと、考えることはやはり一緒で『困った時はIK谷・・・?』ということだったのである。

その後、北陸道の南条SAにて一緒に夕食を摂るつもりだったが現在改装中で、7月下旬頃までレストランが休業中とのこと、やむなく今津町にあるラーメン店にて4人による情報交換会を実施し帰宅した。

昨年の夢よもう一度という思いで計画した今回のIT川釣行、私個人としては29㎝以下の9寸サイズが5本もキャッチでき、大変満足のいく釣果であった。
今シーズンは体調不良や仕事の関係で思うようにフライフィッシングへ行けなかったところだったが、お陰様で今回の釣行にて一気にうっぷん晴らしが叶った。

この季節のIT川にU川、水の状態が良くてポイントさえ外さなければそれなりの好釣果が得られることが分かった。
この分だとまた来年も計画しなくては・・・。
最後に、いろいろと無理を言って同行願った老師さんには感謝の気持ちで一杯である。