T川、ナイスバディと戯れる

湿り気を帯びた重い空気が川面を覆うこの季節、ここT川にもようやくアブラビレ族たちにとって心躍る時がやってきたようだ。
今年の冬は雪が多く、名うての豪雪地帯であるこの辺りは、例年より季節が3週間程遅れている。
曇天微風に平水といった、まれにみる絶好の条件に恵まれた5月、朝一番は本流中流部に降り立った。
今回の同行は、私とロートルコンビを組むNO氏。
二人合わせて108歳という年齢は、如何に煩悩を捨てきれるかが釣果を左右する・・?

水温12℃、この川のベストコンディションと言っていい。
入渓早々、無欲の(?)NO氏にヒット。

amago n20

20cm程の綺麗なアマゴだが、その体高の高さに驚かされる。
しばらくして、私に連続してヒットしたのは、いずれも22-23cmの良型アマゴ。

amago o22

“ナイスバディ!!”と思わず叫んでしまいたい、そんな衝動に駆られるのは、いかにもオヤジ的か・・・?
しっとり濡れたそのグラマーな姿態に触れるその瞬間を求めて、遠路も厭わずやって来るのであり、また、キャッチした美形をリリースする瞬間に癒されるのである。

それからしばらくは、好ポイント毎に良型アマゴの反応があり、時を忘れて釣り進む。
気が付いたら1時、昼飯時だった。
私が22-23cmばかりのアマゴを7匹キャッチ、NO氏は無欲になりきれずバラシを多発して、キャッチは3匹のみ。
集中力を高めすぎると合わせ切れし、雑念があると合わせが遅れ、バラシてしまう。
心に余裕を持った無欲というのがよろしいようで・・・。

心配していたが、魚はそこそこ居るようだ。
しかし、依然として餌釣師が多く、どれだけ魚が残るか心配でもある。
午後は、さらに下流部へ移動し釣り上がるが、釣り下がってきた餌釣師と鉢合わせ。
バイオのブドウ虫で10匹位釣れているとのこと。
悔しいが文句も言えないところが辛い!
案の定ここぞというポイントからの反応は薄く、竿抜けポイントでたまにヒットする。
少し心に余裕の出てきたNO氏が好調で、23cm位の良型ばかりを5匹、私は餌釣師に心を乱されて1匹のみ。(まだまだ修行が足りない!)

amago n23

さらに、愛用のロッドが継ぎ目で折れる不幸も加わって散々な目に。

その後、夕まずめをどこでやろうかと移動する途中で、遅出のF氏の車を発見。
3人合流し、上流部マイポイントへ入ったのは、もう6時を回っていた。
あたりは薄暗くなり、川面は逆光で反射して、フライが見えにくい。
魚のライズが頻発し出したので、それを目がけてキャストする。
フライを捕食した瞬間の飛沫を確認して合わせると、計ったように23cmのアマゴ。

amago o23

結局、この日は20-23cmのアマゴを11匹キャッチできた。
NO氏も二桁達成とのことで、大型こそ出なかったが、二人でポイントをシェアしながら、二人とも二桁キャッチ出来たということは、今年のT川は案外いいかも・・・・。
そんな気がしてきた。(O)
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上流部のイワナも数が増えてるような…