T川、増水未だ収まらず

3週間ぶりのT川である。
末期に入った梅雨前線が日本列島の各地を暴れ回って、先週など大増水した川や崩落した林道を想像するあまり、どこへも行く気になれなかった。
それまでは渇水を嘆いていたのだが、天の恵みもほどほどに・・・という訳には中々いかないようである。

ようやく晴れ間の続いた7月29日、満を持して出かけることにした。
朝5時半に到着すると、たっぷりと雨水を飲み込んで、まだ水かさの高いT川が迎えてくれた。
幸いなことに濁りはないが、小雨模様の天候は、雨量の増加とともにミルクコーヒー色へと変貌する危険をはらんでいる。
今回の同行は、2週間前に単独でこのT川に来たものの大増水と濁りであえなく退散させられたNO氏。
二人とも気合いは充分、水温は15℃でこの時期にしては文句の無いところ、意気込んで押しの強い流れの中に立ち向かっていった。

いつものA級ポイントは水勢が強すぎるし、B、C級ポイントは魚影が薄いし、と苦労しながら進むうち、ようやく1尾目にめぐり逢えた。
23cm、いつもの幅広美形アマゴだが、ゆっくり見とれている暇はない。
だんだん雨が強くなってきたのだ。
次のポイントでヒットしたのは25cm、久しぶりにT川アマゴの強い引きをたっぷり堪能させてもらった。

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NO氏もアントに切り替えて25cmをキャッチした。
雨も本降りになって少し濁りも出てきたので、上流部へ移動することにした。
少なくなったポイントから、何とか魚を引き出しながら進むうち、さらに増水と濁りがきつくなってきて、とうとう上がることにした。
20~25cmのアマゴを7匹キャッチ、2匹のバラシだった。
NO氏も25cmまでのアマゴを4匹程キャッチしたようだ。

昼食休憩後、NO氏は早帰りとのことで、ひとり残って昼寝を貪ることに。
3時に目が覚めると、風が強くなって雨も相変わらず降り続いている。
さすがにこの濁りでは・・・急に釣欲が萎えてきてしまった。
中下流では鮎釣りが本格的になっているT川だが、コンディションさえ整えばまだまだいける・・・、そんな気にさせる渓に、今日は別れを告げることにした。(O)