T川、尺アマゴ見参

下界のうだるような暑さから逃避して、今週も出かけたT川上流部は、標高500mの位置にある。
日陰にいると暑さを感じないし、川面を流れる風はとても心地いい。
8月5日、早朝5時半、ようやく平水に戻った流れの中にF氏と立っていた。
今回は、朝一と夕まずめをフライ、昼間は鮎釣りに興じようという魂胆である。
クラシカルなフライマン達からは、“それは、邪道だろっ!”と突っ込まれそうだが、
“まあどちらもオトリを使っておびき寄せて釣る”というところは同じだし、釣れる魚も同じアブラビレ属だし、それに何より昼間は釣れないし・・・。

“そろそろ大型が釣れても・・・”、何となくそんな予感がしていた。
水温15.5℃、適水量、濃い朝霧、そして無風状態とくれば、この時期にしてこれ以上ない最高のシチュエイションがそろっていた。
いつもの入渓ポイント、大型が潜む一級ポイントを師であるF氏にお願いして、後方から流れるようなキャスティングを見ていた。
何投目かのその時、緑色のSAGEロッドが大きく円を描いていた。
ロッドのしなり具合からして、かなりの大型らしい。
あわてて駆け寄ると、“尺あるでっ!”とひとこと、いつもながら冷静である。
何故かランディングネットをいつも持っていないF氏に代わって、私が無事にランディング。

amago31.5

31.5cm、体高や厚みなどどれをとっても見事な魚体を持ったオスのアマゴである。
1ヶ月程前に、同じポイントで私がヒットさせ、ネコヤナギの下に潜って、ネコ騙しの技を使った奴だろうか・・・?
今回、もし私がヒットさせていたら、同じ技を使われてバラしていたかもしれない
この川には2番などという軟竿は似合わない、そんな気がしてきた。

P1000547

その後、少し先のポイントで私にヒットしたのが23cm。

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先程の魚体を見ているだけに、普通であればグッドサイズだがやけに小さく見える。
この分だと、今日は爆釣かと思われたが、後が続かない。

furusato

結局、私は20cmを一匹追加したのみ、F氏は最初の1匹だけだったが、最終ポイントの渕で見事な魚体の26.5cmをキャッチ。

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QBPを少し沈めたらヒットしたとのこと。
“やっぱりこれからはWETやなぁ”と意見が一致したところで朝一のフライ終了。

時間はまだ9時半である。
急いで、この川の下流にあるN川漁協へ行き、鮎の入川券とおとりを購入。
私は鮎の友釣りは今回が2回目である。
一昨年、初めてF氏に教わり、4匹釣ったのを覚えている。
その時と同じ中流部のポイントで、4時半まで粘り、私が7匹、F氏も7匹だった。

鮎のおみやげも出来たことだし、余裕を持って上流部へ移動。
闇が迫るのが少し早くなってきたようで、7時までと判断し、いつもの杉林を駆け下りた。
最初のポイントで私に24cm、その後20cmを1匹追加した。

20060806123545

F氏も22cmと20cmを1匹ずつで、夕まず目は大型との出逢いはなかった。

今年は、そこそこのサイズが結構釣れて、リリースした魚たちが確実に大型化しているはずで、今回ようやくその片鱗が見えたT川だが、水温の上昇するこれからの季節、攻略方法の鍵は、やはりWETということになるのだろうか・・・?(O)