プレオープンして来ました

今冬の北陸地方の大雪で雪解け水はいつ頃落ち着くのかとソワソワしていた。
とはいえ、3年ぶりに行動制限のないGW・・・感染も渋滞、混雑も嫌だなぁと、行き帰りのめんどくささが先に立ちGW終わってからボチボチ始めようかと、GW中の10日間は清水山、将軍塚までの往復10Km、3時間半のお散歩兼体力維持活動に勤しもうと決めていたのだが、どうやらこどもの日くらいまでで渋滞などは終わった感じで、清水山や豊国廟への日参も飽きたし7日8日とプレオープンしてやろうと急遽思い立った。
連休前半はとてもフライなど見向きもしてくれそうもない水量だったのが、日に日に落ち着きだして後半には何とか行けるんちゃう?くらいまでカメラは映し出していた。
白山石川県側はまだまだ増水気味だったので福井県側で足慣らし出来そうなところと言えばU川しかない。
早めに出発して発電所上流に到着したのはなんと2時、二日間やろうと思っていたので上流の様子や谷の様子を下見に行った。上流は鳩ヶ湯以降は通行止め、谷は第5堰堤辺りが落石倒木で少しやばい感じだったのでこの川だけで二日間は過ごせそうもない。
下見後、少し寝てからやろうと思ってこんな時刻に来たのだが気温9度。暫く座席を倒して寝ようと試みたが、だんだん寒くなって来たので助手席に移って寝袋に入り寒さは解決したが寝られない、仕方ないので次第に明けていく景色を見ながら5時を待った。
シャツ一枚でいけるだろうと思ったが、フリースと薄手のダウンを予備に持ってきたのは正解だった。

ヤマブキが綺麗に咲いてフライフィッシングの季節到来を告げている、入渓前のブッシュ地帯も今の季節はひざ丈にも及ばないから道すがらブッシュになってからのルートを憶えておくのだが、これが一向に役に立ったことがないので、もっぱら可愛い野の花を楽しみながら川に降りた。
やはりまだ水が高い、流速が速いポイントばかりで対岸に渡るのも久しぶりの川歩きでは足がよろけて自信がないし、この寒さでは流れに突っ込む気合もわかない。
2番ラインがリトリーブ中に絡むようになったのでラインを新調したのだが、いざリーダーを結ぼうとしたらライン先端数mはホールがなくミシン針を差し込めないので仕方なくネイルノットで結んでみたがやはりガイドに引っかかってやり難い、準備はやりすぎるほどやったつもりだったが最近はこんなラインがあろうとは思ってもみなかったのは誤算だった。スプライスネイルノットの条件に【ライン先端までホールがあることを確認して買う】を追加した次第であった。
ブッシュがないので入渓しやすいし、GWの最後半でもあり、水量も多いという条件、おまけに気温が低く朝早いとくれば期待はしぼむばかりであった。魚影を見ることなく1時間が過ぎミミズと餌竿持ってくるべきだったかなぁと半ば諦めかけたが何とか1尾、神のご加護であろうかヒットさせてもらったが、25cmにも満たない可愛いイワナだった。谷の合流まで我慢してやってみたがヒットした1尾以外何の反応もなく寝ていない疲労感だけが残った初日の朝一であった。車まで帰り際、後ろから走ってきた軽トラが私の行く手を遮るように斜め止めして、降りて来るなり監視員の腕章を手にもって掲げた。何事かとビックリ致しました。彼らにとっては釣り人はすべて容疑者扱いで監視員様は敏腕刑事なのだろう。まるで刑事ドラマさながらの光景で御座いましたですよ・・大野漁協さん!
いったん車に戻りさてどうしよう、上流の取水堰堤からM谷までは水位は低いはずだが面白くないし、谷もこれだけプレッシャーが高いとどうにもならない。どちらもダメなら水たまりを釣るより、いい流れにフライを乗せて楽しむ方がましと谷に向かう。
第5堰堤上の落石倒木は通れないほどではないがタイヤが切れる危険性もあるし上へ行っても釣れないものは釣れない。
第2堰堤からボチボチ攻めてみることにした。第2堰堤まで魚影なし、第3堰堤序盤の開きがいい流れを作っていたので慎重に谷へ入りど真ん中へ一投、ボッコンと気持ちよく出てくれた。はぁ~やっと待ちに待ったこの感触、十分に引きを楽しませてくれたのはよく肥えた27cmものだった。この開きは運よく誰も手を着けなかったのかこの後2尾追加して、上流に期待が膨らんだのだが

それから第5堰堤までの間、堰堤下で小ぶりなのが1尾白泡の切れ目から神経質に出てくれただけであった。

花も見頃、新緑も柔らかい木漏れ日に輝き、ブッシュ越えの苦労もないし後は魚さえ出てくれれば満足この上ないのだが世の中にはたった一握りの狂った集団の自己満足の為だけにさんざん思い知った不幸の歴史を繰り返し、そんなバカ者の為に暖かな食事と寝床さえ搾取されている人達の事を思うと今の幸せを有難いと思わない訳にはいかない。
谷攻めも画期的に改善しそうもないので気乗りしないが昼まで水たまり辺りを少しやってみたものの、23程のがやっと1尾出ただけ、腹が減って疲労困憊。

大きな木陰を作っている木の下で弁当食べて昼寝、木漏れ日が気持ちいい。涼しい風が絶え間なく吹くので次第に寒くなりダウンとフリースをまた引っ張り出して再び寝た。
3時から谷の上流に意を決して向かったが落石場所に1台あったのとそこから先も落石が多いので無理して行くほどでもないかと再び朝イチやった発電所上流に向かい川に降りてみたが一向に水の引いた感じはない。
昼の気温は31度と暑いくらいになっていたので確実に水温は上がっているはず、朝の水温が8度だったから1、2度上がってくれていればと最後の期待。
あえて水温は測らず釣り上がった、落差のないだだっ広い膝上から腰くらいまでの水深の静かな水面に時折ポワンと輪が広がる、暫く確認してみたが確かにライズ。
静かに近付きライズポイント上流3mにフライを落とすが、落としたポイントの上流でポワン。
あっちこっち振り回されて結局このライズは取れなかった。
ライズがあるのはある、どこといってとりとめのない流れではあるが大きな底石が少し波を作っている流れにフライを流してみた、ボコンと出てくれたのは28cmの頭でっかち尻すぼみだったがこいつは嬉しかった。

その後はライズもなく上流も朝と変わらず反応なしだったが何とかプレオープンにしては足のよろめきもなく結構歩けたのでよしとしなければなるまい。
二日間やろうと思っていたが疲れ切ってしまったのと明日やる場所もないし1日でプレオープン終了とした。
今期こそは楽しい釣りを楽しませてもらいたいものである。

福井
爽快渓流フライフィッシングに魅せられて