2014年夏、釣行会

梅雨末期の不安定な気象条件の中、7月19日に毎年恒例となった夏の釣行会を実施。
参加メンバーは、N老師、T業師と私Oの3名。
夏風邪をこじらせたBird氏は早々にリタイアし、他のメンバーも諸事情でアウト。
また、直近の気象条件を考慮し、一泊を取りやめ日帰りという少し寂しい釣行会となった。

老師、私の初老ペアと、業師の熟年ペアに分かれて深夜の北陸道を北へ進み、到着した場所は言わずと知れたSNM川。
尺に最も近い川としてこのところ我々仲間内ではほとんど伝説となっている。
私もこの日のために8フィート11インチのロッドを新調し、少しでもドラグを回避しようと準備万端整えて臨んだ。

5時前に現地到着、業師は当然のことながら林道終点の取水堰堤上流部へ、老師と私は歳相応に中間地点のスロープから入渓。
水量はほぼ平水、水温14度はこの時期としては好条件が揃っている。
まずスロープを降りたところにある小さな淵で第1投、すぐに反応があったもののフッキングせず、すかさず投じた2投目で乗ったのは27㎝の紫色に輝くSNMイワナ。

O27-2

昨年の台風でこのSNM川中流部も壊滅的な打撃を受け、淵や深瀬が砂で埋まり、川の流れ自体も大きく変貌を遂げてしまった。
イワナたちはどうしたのか不安を抱いていたところだったが、この1匹で安心した。
続いて老師にも25㎝クラスがヒット。
釣れてくるアベレージサイズがいいのがこの川の魅力でもある。

N25-2

ただ、台風の影響で以前と比べてポイントが大幅に減ってしまい、イワナの数も心なしか減っている感じがするのは否めない。
とは言うものの決して期待を裏切らないのがこのSNM川のポテンシャルの高さである。
少し進んだ木の枝や草が邪魔をする緩い流れのポイントで老師が良型をヒットさせたものの、残念ながら合わせ切れをしてしまった。

その直後、さほど水深もなく何の変哲もないポイントで、沈みかけた私のEHC14番にギラリと明らかに良型のイワナが反応した。
ロッドを跳ね上げた瞬間は根掛かりかと錯覚したが、すぐにイワナが動き出し上流側のボサの中に潜り込んで動かなくなってしまった。
しばらくロッドテンションを掛けて何とか引きずり出すことに成功し、無事にネットインしたのは何と33㎝の精悍な顔つきのイワナだった。
これで新調した甲斐もあったし、何よりロッドにも立派な魂が入った訳である。

O33-2

さらに24㎝くらいのイワナを2匹キャッチしたところで急にイワナからの反応が薄くなったので、この区間の中間地点で一旦林道に上がった。
その後、以前から気になっていたOZ川本流へ下見がてら向かうことにした。
行ってみると上流部の谷で工事をしているようで、本流はカフェオレ色に染まっていた。
それでも取りあえず最上流部の有料道路入口まで進むと、そこから上流はクリアだったので、料金所脇の空き地に車を止めて川へ降りた。

早々に老師が24㎝のイワナをキャッチしてくれてテンションが大いに上がる。

N24-2

しかし、その後格好のポイントを探るも何の反応もなくなったので一旦上がり川沿いの立て看板を何気なく見ると、料金所から上流部と各支流は禁漁と書いてある。
慌てて元のSNM川へ退散した。

上流部へ行った二人との待ち合わせ時間まで少し時間があったので空いていたキャンプ場下に入ったが、すでに誰かが入った後のようでほとんど反応がなかった。
約束していた1時に二人が戻り、当初から予定していたHSRにて昼食休憩。
取水堰堤上流部へ向かった二人組の釣果は、このところの雨で増水していて、かなり厳しい渡渉を余儀なくされたものの、9寸サイズまでを数匹キャッチしたとのこと。

昼食休憩後、4人で向かったのは毎度お馴染みのKZ川。
雨が降ったりやんだりの怪しい気象条件の中、いつもの入渓地点まで車を進めると夫婦ペアが午前中の釣りを終えて休憩しているところだった。
やむなく私の車1台に4人で乗り合わせ、その二人に断わってさらに上流の堰堤上に向かった。

ここでは私とがペアを組んで堰堤直上に入り、老師と業師はさらに上流部へ。
その頃から雨が少しずつ強くなってきていた。
ただ、イワナからの反応が良かったので合羽を着ながら進むと、20センチクラスの小型が3匹ほど立て続けにヒット。

その時、少し上流に居たがロッドを大きくしならせてイワナと格闘していた。
が、その直後良型イワナが岩の下に潜り込んでしまい、ロッドの動きが止まってしまった。
が慌てて取り込もうとしてラインを手で掴んだ瞬間、惜しくもフックが外れてしまい、無情にも幻の尺をネットインすることは叶わなかった。
そうこうしているうちに雨足がさらに強まり、雷鳴も響きだした。

慌てて林道に上がり上流部へ入った二人を呼び戻しに向かったが姿が見えない。
仕方がないので車まで駆け込み、車で上流部へ移動しようとしているところに二人が小走りで戻ってきて、事なきを得た。
それにしても私との二人が先に車に乗り込む直前に大きな雷鳴が辺りに響き渡り、大いに肝を冷やしたが、本当に危ないところだった。

しかし、車に乗り込み国道まで戻ると既に雨が止んでいた。
時間は5時半で帰宅するにはまだ早い。
ここで諦めきれないのため、最後の一勝負にMT川へ向かうことにした。
老師と私は谷が分かれるまでの本流上流部に、と業師が実績のあるポイントに入った。
結局、老師が小型のイワナを1匹キャッチしたのみで、下流部に入った二人には反応すらなかったとのことで、今回の釣行会は終了。

時に雷雨に打たれながらの危ない気象条件の中で行われた釣行会だったが、どうしてもこの時期は梅雨の末期と重なるため、激しい雨は覚悟しなければならない。
落雷や鉄砲水による事故、林道の土砂崩れなど、この時期は危険が一杯潜んでいる。
まず行き先ありきではなく、気象予報を考慮して計画を練ることが大切だとあらためて思い知らされた今回の釣行会だった。

石川
爽快渓流フライフィッシングに魅せられて