渓流フライフィッシング紀行

春と冬の間で

三寒四温とは言うものの今年の春はいったいいつから始まったのかさっぱり見当が付かないままもう桜も見頃を過ぎてしまった。 気の早い桜などうっかり春の陽気に誘われて咲いてしまったものだから、まさかの冬へ逆戻りに花見の客も付かず参ったなと悔やんでしまったに違いない。ところがどっこい、あいつはいつも気が早くていけない物事はきちんと見極めてから行動しないとアカンでと慎重派の桜がそろそろいい頃だなと咲き始めてみたがさしもの慎重派も更なる寒波におろおろするばかりで、これなら桜前線のトップで潔く咲いて散ったほうがましだったなどとこれまた後悔したのだろう。 そんな訳の分からない春の訪れについつい出遅れてしまった私の今期の初渓流、去年の秋、来期に備えて冬場に足腰の鍛錬を欠かさないでおこうと決意し10Kgほどの水を背負って1時間ほどの早足散歩を始めたが2週間と続かず、毎年の事ながらヨタつく足での初渓流となってしまった。 前日、N氏から湖北T川へお誘いがあったのだが気合が入らず丁重にお断りし石田川へ朝遅くから出る。 途中、T川は増水でさっぱりだとN氏から電話が入りリバーランズ角川で合流してK谷へ入ろうということ...
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アマゴ前線とれたて便

桜の開花とともにドライフライフィッシングが本格化する。 あちこちから桜の便りが届きだした4月3日、この日を待ちかねたように【京都渓流倶楽部】が始動した。 今回、雪代の影響が少なく安定した釣果が期待できる奈良T川に集合したのは、 六十肩がようやく完治したというN老師、娘が就職してチョッピリ肩の荷が降りたN仙人、自作のランディングネットに魂を込めようと肩に力の入っているWと私の4人だが、肩透かしを喰らわないようにしなければ・・・。 さて、9時過ぎに現地の河口釣具店に到着して水況を確認すると、ここ何日か少し水かさの高い状態が続いているとのこと。 ハッチに多少影響があるかもしれないと少し不安の色がよぎったが、今さら場所変更するわけにも行かず、とりあえず待ち合わせ場所のふるさと村へ一目散。 ここで技のハンドメイドネットを見せてもらったが、桜と檜材を使い光沢の出るニスで磨き上げた素晴らしい出来栄え!! N仙人は少し遅れてくるとのことで、3人で上流部と下流部に別れて川に降りた。 私とWは下流部へ向かったがこれが失敗だった。 工事の車両が川に入っていたのをうっかり見過ごして釣り始めたが、しばらくすると...
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石田川はまだ雪の中

現地着11時、気温3℃ 前夜からの雪でとてものゲート迄はたどり着けず、ずっと下流から入渓。 結果、1匹キャッチ、2匹はフッキング出来ず…。 約3.5時間の初釣行でしたが、身体が鈍っています。次回は天増川なんぞへ行こうかなぁと思っています。
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2010年FF開幕、寒狭川

京都渓流倶楽部!・・・、いつの間にか立派な名前がついていた。 重厚でクラシカルなネーミングで何となく面はゆい気もしないではないが・・・。 面倒くさい会則や会費は無く、足腰も弱くなり老眼に苦しむ世代が老体に鞭打ちながら好きなときに集まって渓で遊ぶ。 そんなユルさと気安さで集まったメンバーがすでに9人も居たとは・・・、オフは野球でもしますか? さて待ちに待った2010年フライフィッシングの開幕、3月20日にまず手始めに出掛けたのは愛知県を代表する名川、寒狭川。 中流部にC&R区間を設け、標高も低く早期よりドライでの釣りが期待できる。 私の実家である岡崎市に近いこともあって今回は帰省を兼ねての気軽な単独釣行、朝10時半に日券売り場の三和太屋さんに到着。 気さくなおばさんに釣況を確認すると、ここ何日か雨が続いて少し増水気味だがアマゴはまだたくさん残っているとのこと。 下流部にあるC&R区間が気になったので様子を見に広見ヤナの駐車場へ向かった。 川をのぞくと居るわ居るわフライマンが6人、一定の間隔を空けて思い思いのキャスティングを繰り広げている。 気配から察するとあまり釣れているようには見えない...
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紫色に輝くイワナ

今年の渓流シーズンが終了する間際、“あの紫色に輝くイワナに逢っておきたい” そんな思いに駆られ急遽引き寄せられるように出掛けたS川・・・。 そういえばこの川で実際にロッドを振るのは初めてだったのである。 大量の虻に襲われたり、大雨による増水に阻まれたり、あまりいい思い出がこの川にはなかった。 真夜中の高速を疾走しS川の林道最奥に到着したのが夜明け前の5時半。 無情にも1台の石川ナンバーがあり、既に車の中に人影は無かった。 少し明るくなってきたので川の様子を見るとかなりの渇水である、というよりほとんど水が無い・・・。 上流部で取水されているとはいえこれではちょっと・・・! 堰堤を下流方向へ三つほどやり過ごしたあたりまで進むと、水量も少しマシになってきたので車を停め川をじっと見つめていると小さなライズを発見。 少しやる気が出て200mほど下流へ歩いたあたりで川へ降りた。 川面を抜けるひんやりした風がやさしく頬を撫で、逸る気持ちを静めてくれる。 5-6投目に沈んだ岩の陰から勢いよく飛び出したイワナは、23cmくらいのよく肥えたアベレージサイズだが、確かに背中が薄紫色を帯びている。 そしてここ...
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南信州二人旅

今季南信州シリーズ三部作の完結編となる今回の釣行会、シルバーウィークの前半三日間を使っての気ままな釣り行脚となった。 今回の同行者は気心の知れたbirdことF氏、今まで数多くの渓を一緒に歩いてきた。 さすがに三日間となると、他のメンバーはそれぞれ家庭の事情があり参加が難しいようで、となると我々二人の家庭は、すでに崩壊しているのかもしれない・・・? 南アルプスの山頂が白み始めた早朝5時半、今回の第一目的地であるO田切川到着、例によっていつものコンビニで日券と朝食を購入、中央高速下のポイントへ降りた。 さすがに信州、朝一番の気温は12度、そして中央アルプスから流れ出る水温は13度、トレーナーを持ってきてよかったと思いきや、Fはなんとフリースを用意していた! 今回は前回よりさらに減水していてポイントが少なく、最初のアマゴがヒットしたのは7時半を回っていた。 Fの方は順調に数を伸ばしていてすでに5匹のアマゴをキャッチ。 8時過ぎに私が2匹目のアマゴをヒットさせたときには、Fはもう8匹。 しかし、後半は私の方が順調に数を伸ばして、11時過ぎに早めに切り上げた時点で二人とも9匹ずつのアマゴをキャッ...
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南信州三人旅

先週に引き続いてのO田切川、今回はbirdことFとWが加わっての三人旅。 ここO田切川、Wは初めてだがFは二回目、前回の釣行では27cmの幅広アマゴをキャッチしている。 目的の半分は美味しい地ビールを飲むことに置いている不遜な考えの私だが、ホスト役として何とかいい釣果を望みたいところでもある。 朝2時半に集合し、高速1,000円の恩恵を充分活用させてもらって現地のコンビニに到着したのが5時半、先週同様高速下のC&R区間入り口に車を停めた。 朝一番の水温は13℃、(先週の8℃は老眼による水温計の見間違い!)水量は先週よりさらに細くなっていて、この炎天下の中かなり厳しい釣果が予測される。 ここO田切川は川幅が広く、水流が幾筋にも分かれているため三人くらいで同時に釣り上がることができる。 早々にFに良型のアマゴがヒット、しかしキャッチ寸前で首を振られてバラシ。 25cmは優に超えていたらしい・・・。 渇水で少なくなったポイントだが魚は確実に居付いていて、フライをよく見には来るもののすぐに見破られてしまいスレ具合が半端ではない。 先週黒い大きな影が浮上したポイントでようやく私に1匹目がヒットし...
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南信州ひとり旅

標高2,956mの駒ケ岳から染み出す清冽な水は、田んぼを切るように流れ出て、やがて天竜川へと注ぎ込む。 O田切川という名の『いわれ』がここにあるらしい。 8月29日、法事のため帰省するついでといってはなんだが、ちょっとだけ様子を見るつもりで久しぶりに訪れてみた。 ちょっとだけとは言いつつ、現地到着が朝6時・・・、かなり本気モードである・・・! コンビニで日券を購入し、朝飯ももどかしく川に降りたのは6時半。 天気は快晴、しかし残念ながら駒ケ岳の山頂は雲のベールに覆われている。 朝一番の水温は8℃、“さすが中央アルプス・・・”と唸ってしまう冷たさである。 釣り荒れてるのか高速下の入渓地点からしばらくは反応もなく、50mほど進んだ瀬の際でようやく最初の反応がありほっと一安心、魚は確かに居る・・・。 さらに少し進んだプールの開きで本日初ヒットしたのは20㎝の綺麗なアマゴだった。 その後もここぞというポイントで同クラスのアマゴがヒットし、魚影は結構濃い感じ。 さらに進んだ堰堤の流れ出しでゆっくり浮いた黒い影は、多分良型のイワナだったはず。 あまりにゆっくり出たので合わせのタイミングが少し早かった...
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源流への藪漕ぎ…記憶

O谷最上流部、最後に行ったのはいつ頃だったろうか… 踏み後もほとんどない林道脇のブッシュに切り込み緩やかな原生林の斜面をひたすた下降し谷底の直前で切り立つ河岸の急斜面に取り付きやっとの思いで辿り着いた谷底の風景は下流部となんら変わり映えしない水と岩の薄茶色い印象しか残っていない。 ただ、ここのイワナたちのまるで毛鉤にじゃれ付くかのように出てくれる無垢な反応は下降の辛さや、必ず待っている帰りの登攀のきつささえ忘れさせてくれる程楽しいものであった。 先週末、雨で断念したこの谷への久しぶりの釣行、今週は何とか大丈夫そうな天気予報に期待して林道奥のゲート前に着いたのは5時少し前であった。 夜間の雨も危険を感じさせるほど強くなく朝方からは晴れてくる予報は白山周辺の広い範囲で確認できたので今以上の増水はないとゲートを越え歩き出す。 不確かな記憶の入渓地点を僅かな踏み後を探しながら記憶と摺り合わせてみるがなかなかヒットする場所が見つからない。 一度小さな谷沿いに降りてみたがやはり待っていたのはザイルなしでは降りられない二段10mほどの滝。無理をすれば降りられそうだったがザイルは1本しか持ってきていな...
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優柔不断

長いことご無沙汰している渓へ行って見なければならないと思いつつ、ついつい目先の釣果に目がくらみ毎度おんなじ場所ばかりに通ってしまいどうもいかんなと思っていたところへ久しぶりにH氏から今週はどうします?とお誘いがあった。 庄川尾上郷、手取O谷最上流、宮川(神通川)水系、長良川、飛騨川とご無沙汰ばかりで毎週行っても行ききれないほどの心残りがある。 今回はひとつこのうちのどこかへ行って見なければとH氏に相談、手取O谷最上流へ行ってみようということになった。 追坂峠で待ち合せ、一路北陸道へ、雨が… 次第に強くなり、しまいにはザーザーと…、またかいな… 降雨量情報と水位情報を確認すると「無理」と出ている。敦賀IC入り口で他の河川情報を確認しても入れそうな川はない、H氏が「これはもう帰ったほうがいいのではないか」、このところのゲリラ豪雨の状況を鑑みるとこのような時無理に行って怪我でもすると良くないと話は決まり断念することになった。 H氏と別れ帰り道石田川を見に行くとここも増水濁流、やはり帰ろうともう一度水位情報を見てみると一時間当たり15~6cmのペースで水は引き始めている、これなら午後には釣りが...
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