
イブニングは無情の雨
夜来の雨と朝霧でしっとり濡れた川沿いの林道を進むと、透明感を失ったT川が褐色に染まった無残な姿を晒していた。“これくらいの濁りなら、何とかいけるで・・・”と、諦めきれないF氏の声もどこか弱々しい。試しに支流のO川出合いまで様子を見に行くが、濁りの色を濃くするばかりで、“やっぱり駄目か・・・!”と、ため息が漏れてしまう。“こういう時は、あそこしかないか・・・”と、急ぎ車をUターンさせ、濁りの原因となっている上流部の支流より上に入ることにした。雨は止んでいるから、午後にはこの濁りも回復するだろうという読みもある。ここ最上流部は笹濁り程度で、何とかドライフライで挑戦できる色合いだった。先週あたりからカディスが多く飛び交っていて、EHC16番を使っていた私に早々にヒットしたのは、20cmのアマゴ。心なしか先週よりボリューム感がある気がするのは、思い入れの強さだろうか?カディス(トビゲラ)の帯が川面を覆うのも近いストーン(カワゲラ)が空一面に飛翔しだすのはもう少し後だったかな?カディスの持ち合わせが少なかったF氏は、ウェットフライで果敢に挑戦。マーカーの変化を見逃さず、きっちりとアマゴを釣ってし...