源流への藪漕ぎ…記憶
O谷最上流部、最後に行ったのはいつ頃だったろうか… 踏み後もほとんどない林道脇のブッシュに切り込み緩やかな原生林の斜面をひたすた下降し谷底の直前で切り立つ河岸の急斜面に取り付きやっとの思いで辿り着いた谷底の風景は下流部となんら変わり映えしない水と岩の薄茶色い印象しか残っていない。 ただ、ここのイワナたちのまるで毛鉤にじゃれ付くかのように出てくれる無垢な反応は下降の辛さや、必ず待っている帰りの登攀のきつささえ忘れさせてくれる程楽しいものであった。 先週末、雨で断念したこの谷への久しぶりの釣行、今週は何とか大丈夫そうな天気予報に期待して林道奥のゲート前に着いたのは5時少し前であった。 夜間の雨も危険を感じさせるほど強くなく朝方からは晴れてくる予報は白山周辺の広い範囲で確認できたので今以上の増水はないとゲートを越え歩き出す。 不確かな記憶の入渓地点を僅かな踏み後を探しながら記憶と摺り合わせてみるがなかなかヒットする場所が見つからない。 一度小さな谷沿いに降りてみたがやはり待っていたのはザイルなしでは降りられない二段10mほどの滝。無理をすれば降りられそうだったがザイルは1本しか持ってきていな...