骨酒の染み透る夜
昔、九つの頭を持つ龍がいて、その龍は一年に人間を九人食べていました。ある時ひとりの男が龍を倒すと、龍の頭が川になりました。そんないわれを持つ九頭龍の頭のひとつである打波川へ行ってきました。同行は、F氏、N氏、M氏と私の4人です。実を言うと今回は、フライフィッシングもさることながら、最初からキャンプの夕餉のほうに興味の大半が注がれていたのです。各自が思い思いの食材を持参し、満点の星の下さわやかな冷気につつまれて、骨酒でも飲みながら大いに盛り上がろうという魂胆です。現地へ到着したのが16日の朝8時。川の状態は、3日前の雨もようやく落ち着きを取り戻し、平水より若干増水気味ですが何とか釣りになりそうです。鳩ヶ湯温泉の例の無口な主人から年券を購入し、私と松チャンは鳩ヶ湯温泉の下流部、F氏とN氏は温泉の先にある堰堤の上流部へと入渓しました。私のファーストヒットは丁度区間の中間地点あたりにある深瀬から続くそこそこ流速のある開きのポイントです。28cmのきれいなイワナでした。いきなりこういうグッドサイズが釣れてしまうのがここ打波川の魅力のひとつです。今回は、増水気味で魚の活性が低いと見て、骨酒用にとり...
