カディスの季節Ⅱ

“5月になればカディス・・・”、と頭では解っていても“そんな安直な選択はしたくない・・・”、と思いたくなるのが熟練(?)釣り師の意地でもある。
そんな思いで挑んだ15日(土)、行き先は言わずと知れたT川道場。
6月からの禁漁を控えて今のうちに行っとかなければと焦りの気持ちもある。
某ショップの店長お奨めのフックで巻いた戦略的フライが功を奏するか・・・?

さて今回の同行は今季T川初釣行となるW、さらに現地近くのコンビニでN老師が合流し、3人でT川下流部に向かい、到着したのは8時少し前だった。
平水といった感じの川の状況を観察しながらゆるゆると車を上流へ進めたが、いたるところに釣り師と思しき車が停まっている。
年々この川で見かける釣り師の数が増えているように思えるのは気のせいだろうか。

中流部にようやく空いているポイントを見つけたので車を停めて準備にかかる。
快晴、微風、早朝よりハッチも多く見られ、いやがうえでも期待が膨らんでくる。

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川に降りて早々に私にヒット、17cm程の小振りのアマゴだったが戦略フライの結果がこんなに早く出るとは嬉しい限りだ。

その後、川が二股に分かれている箇所で私が水量の細い方に進むと、ちょっとしたゆるい溜まりで24-5cmはありそうなアマゴが2-3匹ゆらゆらと泳いでいるのが見えた。
しかも時々ライズしている・・・!!
しかしその美味しいポイントは廻りが木立やブッシュで覆われていてキャスティングが超難解な場所。
それでも何とか苦労して戦略フライを落としてみたが、見には来るものの咥えるところまでいかない・・・、こういうケースが一番ドキドキするんだなぁ。
しばらく粘ってみたもののこちらの殺気が伝わったか反応が無くなってしまった。

後ろ髪を引かれる思いで先行している老師とに追いついた。
するといつも良く釣れる大淵で既に老師が3匹キャッチし、にも3回ほど反応があったとのこと。
使用フライはといえば、言わずと知れたカディスである・・・、やっぱり!!
こうなれば私も意地を捨ててカディスで挑戦、すぐに20cm級を2匹キャッチ。

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それにしても不思議なほど良く釣れるこのE・Hカディスというフライ・・・。
イマジネーションという人間の根源的な能力を無力化させてしまうほどの恐ろしいパワーを秘めている。

そうこうしているうちに老師が2匹追加、そのうちの1匹は25.5cmの納得サイズ。

n-25.5

ライズはまだ続いているが、流石のカディスも見切られたようで反応が無くなってしまった。
時間は既に12時半、お昼休憩にすることにした。

強い陽射しを避け橋の下で昼食を摂っていると、突然まさに鳥のように鳥人(超人)Fが現れた。
午前中にひと仕事片付けてからやってきたそうな、全くいつものことながら神出鬼没な人である、・・・。

所用で早上がりの老師と鳥人がペアを組み上流部へ、私とペアは昼食地点よりすぐ上流へ入り4時まで攻撃開始。
入って早々20-22cm級が3匹連続でヒットしたもののその後はさっぱり。
期待していた戦略フライもライズにはそっぽを向かれ、アマゴの心を調略することはできなかった。
午前中23cmのアマゴをキャッチしたもその後は鳴かず飛ばずで苦戦の連続。

4時過ぎに待ち合わせ場所で4人合流すると、老師が26cmのナイスバディをキャッチしたとのこと・・・、やっぱりカディスでした・・・!!

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さて、老師一人早めのご帰還ということになった為、残った3人で最下流部へ移動。
夕まずめにビッグサイズをゲットという魂胆だったが、いつものライズポイントも散発的なライズしかなく、私が23cm、も20cm止まりのサイズしかキャッチできなかった。

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W-20

鳥人には尺近いサイズが飛び出たそうだがフッキングできず、小型を2匹キャッチしたのみだった。

何百、何千種類もあるドライフライだが、手元にあるフライパターン集のページをめくりながら、次週の戦略を立てている。
果たしてこの季節、E・Hカディスに勝るフライはあるのだろうか・・・。
そんなことを考えながら知らぬ間にエルクヘアにハサミを入れていた・・・。