龍の細道

空き地は七台の車にて 行き交う人もまた釣り人なり。『奥の細道より』
渓流解禁最終週は渓流釣りファンにとっては名残惜しい1週間である。最終日の前日29日に訪れたのは九頭龍川の支流。現在車止めとなっている某旅館の駐車場近辺にはまだ薄暗い平日の朝5時半だというのに既に3台の車が停まっていた。この時点で既に出遅れを覚悟しなければならない。試しに川まで降りてみると、案の定1人のフライマンが前日の雨でやや平水に戻った川面を熱心に叩いているのが見えた。やむなく車で下流へ移動したが、送水管の下にも車が。更に下流へ進むと左岸の谷の入口、右岸の支流との出合い、そして右岸の谷の奥の空地にも同様に車が停まっていた。仕方なく更に下流へ進むが、途中でも釣り人らしき車とすれ違う。渓流釣り愛好家にとってこのラストウィークというのは格別なものなのだろう。約半年間待ちぼうけを喰らうことになる訳だから、平日とはいえ閉幕の前日ともなれば致し方ないところではある。

仕方がないので、ずっと下流の発電所の下に入る。左岸の谷に入るという選択肢もあったのだが、自分としての最終日にしんどい思いはしたくないのと、それ程釣れなくてものんびりとキャスティングを愉しみたいという思いがあった。ただ、この区間はイワナの魚影が薄く、釣れればラッキーというくらいの気持ちで初めに橋の上流側に入る。まだ時間はたっぷりあるので右岸の谷との出合いまでやれればと思ったが、途中で上流に年配のフライマン2人を発見、急遽引き返した。先日bird氏が尺2本をキャッチしたと思しきポイントも攻めたものの、私に出たのは20cm前後が3匹。条件の違いがあるとはいえ、改めて腕の違いを思い知らされる。

次に向かったのは、車を停めた空き地から下流側へ500mほど進んだところにある緑色の橋の下。ここも渓相は抜群なのだが魚影が極端に薄い。それでも発電所の橋までやって、23cmまでを2匹。時間はまだ14時半だったが、ここで疲労困憊、ギブアップとなった。

実はこの日が釣行3日目で、前日の28日は九頭龍川本流で鮎釣り。釣友と雨が降る中を腰まで水に浸かって8時から15時までやり21cmまでを9匹。(釣友は21cmまでを8匹)

更に前々日の27日は、29日に入った同じ支流の最も人気のある区間と、左岸の谷に釣友と入り、超渇水の中23cmまでを4匹という厳しい釣果だった。(釣友は27cmまでを5匹)

こうして熱いドラマを期待したラストウィークだったが、何ともお寒い結果となってしまった。ただ27日の朝、入渓前に当ブログをよく見てくれているという奇特な釣り師2人組と偶然にも出逢えた。スマホの画面にブックマークを置いてくれているのを見て嬉しく思うとともに、これからもしっかりした内容でアップさせなければと思った。昨今はインスタやFacebookに釣果等を手軽にアップするのが主流になっていて、そっちをチェックする人が多くなっている。そういう意味からも本当に有難い話である。

さて、こうして今シーズンも終了してしまった訳だが、振り返ってみるとシーズンを通して大過なく無事に終えることができたことに感謝である。ただ、危険と隣り合わせになったことは何度もあった。今シーズン熊と3回、猪と3回、蝮と3回遭遇している。

いずれもこちらの存在を察知して先に逃げてくれたから良かったものの、運悪く鉢合わせしていたらどうなっていたことか。
三々九度は縁起の良い神事だが、私にとっても縁起が良かったという事なのだろうか・・・。

コメント

  1. アバター画像 og より:

    コメント有難うございます。長いオフシーズンが始まりましたね。私のオフシーズンは管釣りへ4〜5回行くのと、近くの木津川へ落ち鮎を見に行きます。あと、双眼鏡を持って近くの山や川へバードウォッチングに行くぐらいです。昔は良く海釣りへも行きましたが、もうやめました。いずれにせよ、来年4月が待ち遠しいですね。

  2. アバター画像 Bird より:

    今季最終釣行お疲れさまでした。
    厳し過ぎた後半でも楽しまれたようですね。
    その元気を見習って来期は早々から始動せねばと思っている次第です。

    オフシーズンが長い!皆さんどう過ごされているのでしょうか。
    寡趣味の私など休日にストレスが溜まって仕方ありません。