爽快渓流、T川

先月の釣行記で『どなたか同行者を募ります・・・』 と狼煙を上げたものの結局皆さん都合がつかず、またしても嬉し寂しの単独釣行となってしまった。
それならそれで『やっぱり無理してでも行っとけば良かった・・・』と思わせる釣果を上げてやろうと、気合いを込めて午前2時起床。
まだ眠りに就いている街をあとに、琵琶湖の西側を疾風のごとく駆け抜ける。

すっかり明るくなった午前4時57分、いつもの堰堤上の流れの前に立っていた。
曇天、微風、若干減水気味だが11℃のクリアウォーターは、先週同様ほぼ絶好のコンディションといえる。
QBP16番を結び息を殺して第1投、すぐにチビアマゴが反応したが乗らず。
そして第2投、水面下でそこそこサイズのアマゴがギラリと反転したのが見えた。
こちらの気配を察知されたようでその後は反応なし。

ここで堰堤下のプールが気になったので、下へ降りてみた。
1投目は強い水流に押されてドラグが掛かり失敗、どうもダウンクロスは苦手だ。
その後5-6投繰り返すものの最初でしくじったため警戒されたようだ。
再び元の上流部、瀬のちょっとした緩みにフライを落とすと、反応があった。
本日1匹目は、午前5時20分、20cm程の美形アマゴが出迎えてくれた。
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ポッチャリというかムッチリというか、いわゆる“ガタイ”のいいアマゴである。

先週誤って水没させてしまったデジカメもその後すぐに電池を取り出し、一日乾燥させたら復活してくれた。
ポーズを決めて撮影し流れに戻すと、勢い良く消えていった。
いつも心が癒される、そして一安心するひとときである。
しかし感傷に浸っている場合ではない、本日のミッションである“30匹以上”を達成するためには一刻の猶予もない。

いつも大型の潜むネコヤナギ横のポイントでディンプルライズを発見。
こういうライズをするのは大型の場合が多い。
忍者になったつもりでそっと、そしてゆっくりと近づき、ロングキャスト。
フライが落ちた瞬間、水面に大きな波紋が広がった。
ロッドを持つ手に力が入り、心臓の鼓動が聞こえる。

しかし、フライは何事もなかったように流れている。
どうもフライのすぐ手前で見切って反転した波紋だったようで、もう少し水勢があれば・・・、減水が災いしたようである。
気を取り直してすぐ上の流れに落とすとヒットしたのは18cmのアマゴ。
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続いてすぐに17cm、19cm、20cm、18cmと順調にベッピンアマゴが釣れ続く。
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そして、木の陰の下にある少し緩いヨレを流れていたフライが一瞬消えたのでロッドを立てるとグイグイしめ込む。
ネットインしたのは26cmの良く肥えたイワナだった。
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その後もアマゴやイワナが釣れ続き、いつも車を停める中間地点ですでに10匹。
先週より1匹多いペースだ。
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そして後半部で2匹追加し、ここから本命ポイントというところで、無情にも餌釣師と遭遇してしまった。

やむなく私も林道へ上がって車まで戻り、上流部のいつものポイントへ移動した。
到着してみると車が1台、まさにこれから入渓しようというルアー&フライマン二人がウェーダーを履きかけているところ。
挨拶を交わしどこから入るのか尋ねると、まさに私が入ろうと目論んでいた杉林。
“天は我を見捨てたり!”

しかし、初めて見る車だが、私が大切にしているマル秘ポイントを知っているのは何故なんだろう。
今までほとんど釣り人を見かけなかったポイントだが最近よくフライマンを見かけるようになった。
ひょっとしてこのブログで情報を収集しているのかもしれない。
いずれにしても魚をお持ち帰りしない、心あるフライマンなら大歓迎です。

さて、どこへ行こうか、とりあえず下流方面へ車を進めた。
堰堤の下流部を第一候補に考えたが、入渓点のH川合流点に車がなんと3台も!
となれば青い橋上流部へ行くしかないが、先週猿軍団が出没したとのこと。
熊や猪も怖いが猿の大群も回りを囲まれると相当怖い。
そこで少し上流部の崖が崩落している部分から入ってみた。
幸い今日は、お猿軍団もお休みのようだ。

結果的にこれが大正解だった。
この時期魚たちは瀬に出ており、膝下までの水位が続くここから上流の瀬でまさに入れ食い状態となった。
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黄色いロープが川を横切っている区間の前後だが、1本のQBP16番で12匹連続ヒット、それも18cmから23cmの良型揃いである。
12匹目でようやくボディのピーコッククイルがほどけてしまった。
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そしてその後も着実に釣果を伸ばし、この区間最後のポイントであるOB川出合いの開きで25cmのアマゴをキャッチして、本日の釣果は33匹となった。
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時間は1時過ぎ、早朝5時から8時間、移動の時間は別としてほとんど8時間川の中に浸かっているわけだから、時間当たり4匹、15分で1匹と計算すれば、そんな驚くほどのことはない。
ただ魚たちのコンディションとポイントに恵まれただけのことである。

さらに下流へ移動し、木陰で昼食と休憩をとることにした。
本日のミッションをクリアできた安堵感と午前の部の疲労で、3時まで昼寝。
午後の部は先週同様の中流部。
早々に浅い瀬で23cmのアマゴがヒット。
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しかし、午後から風が強くなってきて、トラブル多発。
アゲインストだからまだましだが、それでも5匹キャッチするのがやっと。

さて5時半になり、愉しみにしていた夕まず目の時間到来である。
数にこだわる訳ではないが、ここまでで38匹だから少なくとも40の大台には乗せておきたいところ。
まずは、実績のある先週と同じポイントへ降りた。
25cmオーバーのメタボリック砲弾アマゴとの再会を期してのことだが・・・。

しかし、期待のポイントは20cm位のが1匹見にきただけで不発に終わった。
時間はすでに7時過ぎ、あと残されたのはトンネル手前の橋の下前後くらい。
ここで、もっと下流の神社から釣り上がってきたルアーマンと遭遇したが、大型のチェイスはあるが乗らないとぼやいていた。
そのルアーマン、橋の下まで入ったとのことで、その上流部に入ることにした。

ユスリカの大量ハッチがあり、カディスもちらほら飛んでいて、時折ライズもある。
EHC16番を結んで瀬をたたき上がると、12cmのアマゴがカディスを口一杯に頬張って釣れてきた。
次に飛沫が上がり結構な手応えで釣れたのは、13cm程のアマゴのスレ掛かり。
そして、護岸のよれの緩い部分でようやくヒットしたのが22cmのアマゴ。
あと1匹、夕闇が迫りフライがほとんど見えないが飛沫を頼りに進む。
しかし、全く反応がなくなって、7時47分ストップフィッシングとした。

残念ながら40台の大台に乗せることはできず、大型(尺近い)をキャッチすることもできなかったが、一日十分愉しむことが出来た。
昨年の不調以来やや回復した感のあるT川、コンディション次第でしばらくは好釣果が期待できるはずである・・・。(O)