終盤追い上げました

煮え切らなかった今シーズン、雨と増水に取り憑かれ目指した川は全て裏切ってくれた。
毎年OTG川で終りにしていたが、どうも納得がいかない。
台風15号による増水が気になったが、最後のチャンスにかけてみる事にした。
MD川、先々週なんとなく手ごたえを感じたので詰められるところまで詰めてみようと思い立ち急遽出発。
夜明け前に本流出合到着、気温8.5度。
1人で夜が明けたばかりの鬱蒼とした林道を歩くのはあまり気持ちの良いものではない。クマスプレーのロックを外してスタンバイしておく。
前回詰めた堰堤上から入ろうと思ったが、様子見にもう一度前回と同じところから入ってみた。水温8度。増水のためポイントが少なくなっている。最後までこれか…とりあえず釣れるポイントを攻めてみるがイマイチ型が小さい、5~6匹釣ったところで渡渉不可能となったので林道に上がり更に上の堰堤間を狙おうとしたがブッシュが凄くて入る場所が見つからず林道を登っていくと林道は川からコースを変えて急カーブして離れていく方向になってしまう。この地点から獣道のような踏み後を辿って何とか一つ飛ばした堰堤上に出た。
ここまで一番乗りで入れればボコボコ間違い無しだろうと張り切ってやってみるが下流部とさして変らない状況だ。昨日入ったような痕跡はないし、こりゃ少し見くびってしまったかなと思いつつももう少し上がればと釣りあがる。
秋は上流へ差してしまうから次の堰堤下まで頑張ろうとやっているうちに思ったとおり堰堤に近づくにつれ調子が上がってきた。渕尻から2匹3匹と上がりだした。
そして、このポイント。

P1030201

大き目の魚影が浮いてきたがドラグがかかり食ってくれなかった。針には触っていない、もう一度出てくれないか!…出た。
尺ピッタシ、口の先から尾びれの先端まで斜めに計ってピッタシ30cm。伸ばしてませんよWさん。

P1030200

これで今期は納得、気持ちよく終わろうと思った。増水で渡渉が少しつらい。

P1030204

サンドイッチ1パックだけ食べただけだったのでここでおにぎりを追加して大休憩。一服して堰堤を見上げるとその上も良さそうだ。

P1030203

まだ10時少し回ったところ、右岸を藪漕ぎすれば巻けそうだし見るだけ見てみようと言う気になった。
案外楽に巻けたが、その上は大石の積み重なった5段10mの滝が控えていた。

P1030206

これは登れないと思った。登るとすばらしい流れが待っているに違いない。弁当を持参してきている、登ってしまうと歯止めが利かない、体力を省みず行くところまで行ってしまいかねない。
あの滝までにしようと決めて堰堤上をやってみたが22~3cmのが5~6匹、滝を越えてみたい…滝の落ち込みの増水した粗い水面に翻弄される毛鉤を見ているとくらくらとめまいの様な感覚が体のバランスを崩しかけてくる。寝ずの運転、藪漕ぎ、増水の渡渉とかなり疲れてきている。単独の遡行で無理は禁物、終わりよければ全て良しと言う事にしよう。

P1030207

帰りの川通しと藪漕ぎはやはり辛かった。よたよたである。
林道を下りていると軽の箱バンを路肩に着け、初老の男性が林道の真ん中に寝そべっている。工事の人かと思ったが、昔この辺りの森林管理をしていてそのよしみで鍵を開けてもらって水を汲みに来ているという。こんな谷釣れないだろうと言う。K谷の奥にはこんなのが居たぞと4~50cm幅を両手で示して見せるが、それは30年ほども昔の話であった。そして彼はこの谷は鉄砲がよくあるから気をつけろと付け足してくれた。
昔の話でよい話の種を聞いたが、確かに今は堰堤群となってしまってはいるもののその面影が偲ばれる渓相はそこかしこに残っている。
P1030209
P1030211

一旦車まで帰り昼寝にK谷へ行ってみたが多くの轍があるので入り口の日陰で昼寝を決め込む。寒さで目が覚めたら、5時前であった。
もう一度MG谷へ、第3堰堤から第4堰堤間はイブニングに残しておいた、第4堰堤下のプールは以前業師が3連荘したことがあるからだ。
しかし、今回は27cm前後が2匹とチビが2匹で日が暮れた。

P1030213

MG谷の滝の上はパラダイスなのだろうか…私にはもう答えは出せないだろう。
その答えより滝までの区間で後何匹尺を上げられるか!そちらに精を出したほうが良さそうである。
今期も怪我なく終えたことに感謝。