南信州二人旅

今季南信州シリーズ三部作の完結編となる今回の釣行会、シルバーウィークの前半三日間を使っての気ままな釣り行脚となった。
今回の同行者は気心の知れたbirdことF氏、今まで数多くの渓を一緒に歩いてきた。
さすがに三日間となると、他のメンバーはそれぞれ家庭の事情があり参加が難しいようで、となると我々二人の家庭は、すでに崩壊しているのかもしれない・・・?

南アルプスの山頂が白み始めた早朝5時半、今回の第一目的地であるO田切川到着、例によっていつものコンビニで日券と朝食を購入、中央高速下のポイントへ降りた。

minamialpus

komagane001

木曽駒ヶ岳

さすがに信州、朝一番の気温は12度、そして中央アルプスから流れ出る水温は13度、トレーナーを持ってきてよかったと思いきや、Fはなんとフリースを用意していた!

今回は前回よりさらに減水していてポイントが少なく、最初のアマゴがヒットしたのは7時半を回っていた。

am20-1

Fの方は順調に数を伸ばしていてすでに5匹のアマゴをキャッチ。

P1010830

F-1

8時過ぎに私が2匹目のアマゴをヒットさせたときには、Fはもう8匹。

am21-1

am22-1

しかし、後半は私の方が順調に数を伸ばして、11時過ぎに早めに切り上げた時点で二人とも9匹ずつのアマゴをキャッチしていた。

連休の混雑を予想して早めの11時半に前回同様の『味わい工房』へ到着したら何と1番乗り、誰も居ない屋外のテラス席で優雅に地ビールを味わった。
その後空き地へ移動し木陰で昼寝、zzz・・・。

2時半ごろ目覚めると既に二組の先行者が川へ降りていた。
慌ててFを起こし我々も準備を整えて下流部の入渓地点へ急いだ。

og (1)

しかし午前中に誰かに入られたのかいつものヒットポイントからの反応が薄く、結局Fがアマゴとイワナを2匹ずつ、私は同様に1匹ずつの貧果に終わった。
近くで熊が出没したという情報をアナウンスする車が行き交う中、早々に退散。

今回の釣行会、目的の一つが露天風呂『こまくさの湯』に浸かること。
アルカリ性の単純泉で肌がツルツル、疲れが取れる感じで心身ともにさっぱり。
そして仕上げにソースカツ丼を食べてこの日は終了、私は車で、Fは一人用テントでそれぞれに分かれて就寝(お互いのいびきがうるさいから・・・)。

tento

二日目は朝5時半起床、この日はFの関わっている管理釣り場が仕入れている安曇野にある虹鱒の養鱒場を見学し、あわよくば安曇野近辺の釣り場を紹介してもらおうという魂胆。
7時頃に長野自動車道『豊科インター』を降りて養鱒漁業生産組合に到着。
この辺りは湧き水が豊富でワサビ生産や鱒類の養殖が盛んに行われている。
日本で一番長い信濃川が長野県にはいると千曲川と名前が変わり、その最大の支流である犀川のそのまた支流が網の目のようにこの安曇野地域を流れている。

養鱒場の場長から教えてもらった場所は、犀川の支流となる穂高川の支流で烏川という川と、犀川の支流の穂高川と高瀬川と万水川が合流する三川合流地点だった。
三川合流地点は川幅も広く我々の3番ロッドでドライフライという装備では全く歯が立たず、虹鱒のチビッ子やハエが相手をしてくれるだけ・・・。

azumino-001

hae

もっと高番手のロッドにウェットフライを流す釣り方で大型の虹鱒を狙うのが主流のようで、何人かのフライマンが川の中に立ち込んでいた。

もう一つの烏川は、百名山のひとつ北アルプスの常念岳を水源とする川。
上流部は落差があり木に覆われていてフライではちょっとという感じだったので中流部へ移動。

karasugawa-001

karasugawa-002

さすがに北アルプスを水源としているだけあって、水温12度でいい雰囲気の渓相だったが水量が乏しくチビイワナが3匹相手をしてくれただけだった。

karasugawa-15

12時前になってお昼ご飯を涼しいところでと、憧れだった梓川沿いの158号線(野麦街道)を上高地方面へ進んで、梓湖の手前の支流島々谷へ入る。
早速川沿いの林道を進み、車止めの空き地で昼食。
この島ヶ谷川、川沿いの林道を上流へ20kmほどで徳本峠、峠越えで上高地へ到着する。158号が上高地まで通じるまではこのルートが上高地へ向う一般的なルートだったようだ。戦国時代以前から利用されたようで古い石碑が見らたり、徳本峠からのアルプスの景観は素晴らしいそうだ。明治時代ウォルター・ウェストンが上條嘉門次の案内で何度も通ったという。登山家垂涎のコースである。

車止めの駐車場で昼寝の後、3時頃になって梓川との出合いから入渓。
早々にFがヒットしたのは25cmクラスのイワナだった。

P1010838

“今日初めてまともな魚が釣れたなぁ・・・”とFが溜息混じりにつぶやく。
少し進んだ淵でFがライズを発見し同クラスのイワナを再びヒットさせた。
私もライズめがけてフライの種類やサイズを変えて挑み、ようやく20cmのイワナをキャッチした。

20090923114827

そこからの上流部は他のフライマンに入られていたので下流部へ移動。
夕まず目用に残しておいた梓川との出合いにあった淵のところに着くと、なんと既にここも他のフライマンに占領されていた。
仕方がないのでさらに下流へ移動すると、盛んにライズをしている淵を発見。
しかし、我々二人が近づくと警戒されてライズがなくなってしまう始末・・・。
暗くなる寸前にようやくヒットしたのは20cmほどの虹鱒だった。

niji20

北アルプスの山並みから続く裾野に広がる『安曇野』、メルヘンチックな言葉の響きとともに時間がゆっくりと流れる・・・、そんな感じのする街だった。
畑には熟し始めたりんごがたわわに実り、蕎麦の白い花があちこちで咲き乱れていた。

6時半になり梓川での釣りを終え車は再び駒ヶ根を目指している。
『こまくさの湯』に浸かるためだったが、ぎりぎり最終入湯時間に間に合った。
この日の夕食はラーメンと餃子、生ビールの泡がほとんど無かったからと生ビール代が無料になるというおまけ付きだった。
駒ヶ根ファームスで買った信州ワインを愉しみながら昨夜と同じ場所で眠りについた。

三日目は3年前に一度訪れたことがあるM峰川へ。
この川は南アルプス百名山のひとつ仙丈岳を水源としているが、川に着いてみるとなんと下流部の川の色は工事により乳白色に染まっている・・・!
不安の色をにじませながら上流へ車を進めたが、途中で出逢った餌師の情報では最上流部は大丈夫とのことで一安心。
1時間ほどかけて林道最終地点に到達したが、車が7-8台駐車してあってびっくり。
どうもこの林道は南アルプスの名峰塩見岳や仙丈ヶ岳への登山道になっているようだ。

気を取り直して川に降り水温を計ると10℃、冷たすぎる・・・。

Mibugawa-2

mibugawa-001

釣り始めて早々に白っぽいイワナがヒットしたがバレてしまった。
結局この区間、反応が少しあっただけでノーフィッシュに終わった。
お昼まではまだ時間があるのでもう少し下流部へ入った。
ここでようやく初ヒットしたのは20cmほどのイワナ、南アルプスの天然水に磨かれた宝石のような魚体!
区間最後の堰堤で2匹追加し20-23cmのイワナを6匹キャッチした。

MibIwa-20-001

MibIwa22-1

12時を回り木陰でいつもお決まりの昼食と昼寝だったが、晴天なのに寒い寒い。
Fはフリースを着てさらに寝袋にくるまって寝ていた。
標高は1,200mほどだが空を流れる雲が近いのなんの・・・。

3時になりさらに下流へ進み堰堤の上から入った。
ここもそこそこイワナの反応が良く短い区間だったが4匹キャッチ。
最後に4時半頃になって、今釣行の最終区間は工事現場の上流部。
川に降りると黒っぽいカゲロウが大量にハッチしていてイワナの反応もいい。
ここでも23cmまでのイワナを4匹キャッチした。

MibIwa23

Fは25cmオーバーの良型イワナばかりを3匹キャッチしたとのこと。

P1010839

#18のカディスを使った私とは使用した毛針の差が出てしまったようだ・・・。

再び駒ヶ根高原に戻り最終日の夕食は蕎麦で締めて帰途についた。
今回の釣行会、中央アルプス・北アルプス・南アルプスそれぞれから流れ出る水に潜む魚たちと出逢えることができ、とても満足のいく三日間だった。
来年の秋の釣行会もここで決まりということで・・・?

以下bird追記
N氏W氏二人釣行会報告メール無断公開
21日22日とTD川へ行った二人からメールにて報告が来たので無断で公開いたします。

21日
今晩は!!
朝一K谷に入渓。
先行者無きものの非常な渇水に苦戦しながら二人で15,6匹。型はいまいち…
その後、IWY谷で佃煮サイズで存分に遊ばせて貰いました。Wがeveningで25㎝が一番でした(-_-#)
明日はあまり動かず、SNMでお茶を濁すつもりです。

22日
Wと一緒でしたので流石にSNM川最上流部へは入りませんでしたが、キャンプ場から上流部といくらかその上流部で終日二人でのびのびと竿を振り又、夕方になるほどサイズアップ(前日のIWY谷で佃煮サイズになれていたせいか24,25,26㎝が大変大きく感じて (^O^) )となり、結構まともな釣果となりました。
尤もWのトラブルは相変わらずでしたが…。
結果的に竿抜けとかでなく、しばらく釣り人が入っていないような状況であった事が幸いしたようでした。
厳しいと予想してました終盤戦のわりには満足な二人釣行会でした。

N氏W氏共にいい釣行会となったようで何よりでした。