渓流フライフィッシング紀行

2007年FF閉幕、幻の尺

2週連続でU川の光と風の中にいた。 2007年のフライフィッシング、有終の美をどこで飾るか・・・、迷うことは無い。 前回あまりパッとしなかったH温泉下だが、潜在的な魚影は濃いはずである。 今回ご一緒するのは、先週の釣行会を仕事で断念せざるを得なかったNさん。 定年を1ヶ月後に控えて、ここで何とか一発大仕事を・・・と鼻息が相当荒い! 先週堰堤狙いが功を奏したF氏は、風邪であえなくダウン・・・。 辺りが少し明るくなりだした5時、エルクヘアカディス16番を結んでいた。 今週も目立った雨はなかったせいで水量は依然少なく、ちょっと厳しい感じ。 あまり期待もせずラインコントロールしたフライを流れの筋に乗せると、いきなりモッコリと顔を見せてくれたのは20cmのイワナ。 そしてすぐに22cmをキャッチ、今日はいける!・・・という気になった。 恐らくこの一週間の間誰も入っていなかったのだろう。 普段、滋賀県のA川やT川などの里川中心に釣行しているNさん、こんな広々とした山岳渓流は久し振りとあって、ちょっと戸惑い気味。 しかし、そんな心配も杞憂に終わった。 25cmをランディングネットに無事収めて、笑顔が...
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U川、男達の集い

瑞穂町からやってきたH氏は、鮭釣りにも挑戦する、熱血のフライマンである。 奈良県御所市から初参加したN氏は、夢の尺イワナへと思い入れが人一倍強い。 池田市から参加のM氏は、ロッドより少年野球でバットを振る方が多いようだ。 京都市から駆けつけたF氏は、なまず釣りが忙しいらしく、少々お疲れ気味? そして城陽市から老体に鞭打ってはせ参じる私O、ユンケルが頼みの綱である。 こうして各地から5人5様のそれぞれの思惑を持った老兵が集った今回の釣行会、早朝4時半にH温泉前に集合という、かなりの強行スケジュールにもかかわらず皆元気な姿を見せてくれた。 久しぶりに合わせた顔と顔だが、何も言わなくても目と目が合えば自然に笑みがこぼれる『男達の集い』である。 12時にいつものI谷上流部のテン場へ集合することだけを決め、それぞれ思い思いのポイントへ散って行った。 今回、私とペアを組んだH氏と取水堰堤上流部の流れに降り立ったのが5時。 次第に明るさを取り戻して行く光の中で、ススキの穂が揺れる川べりをそっと歩きながら、ゆっくりとラインを繰り出す・・・そうした時の流れに浸れる瞬間というのは、無上の悦びとなって全身を...
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信心が足りない…

久しく手取水系を訪ねていなかったので瀬波の川歩きがしたくなった。 釣りがしたくなったと書けないところが辛いのだが。 瀬波…一番乗りしたいのは山々なのだが未明から一人で入渓するには少々怖い。同行者を募っても遠い・歩くのが…・釣れない・しんどい、様々な理由でお断りされてしまうので一人で行くしかない。必然的に二番手三番手の時刻に取水堰堤車止めに到着するよう出発する。朝7時過ぎ到着、え?一番乗り?うそ!と思いきやもう一つカーブの先が車止めだった。まぁ、いいやどうせ二台三台は停めてあるに違いない、スペースが狭いからここに停めてボチボチ行こうと準備していたらカーブの向こうから二人連れが歩いてくる。「釣りですか?」この格好が沢登りにでも見えるかといいたいところだが笑顔で「ええ、ボチボチやってみようかと」。 あ~ぁ、先行ならさっさと行って欲しかったなぁ、わざわざ間をおいて来たつもりやったのに…少し寝てから行くことにするか。内心ほぼスケジュール変更を決意してコミュニケーション参加。 岡山からきたという50代半ばの二人は北陸の渓をあちこち周っていると言う。15年前に来た時は40cmが上がりましたという一人...
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3年越しの夢

梅雨入りが迫っていた。 昨年は5月中旬に金峰山川へ遠征したが二人でイワナ1匹と貧果で終わった。その時、O師匠から6月の方が良いと言われ雨男としては梅雨入りの不安を抱えながらもこの時期をU川初釣行と決め、年初に松ちゃんと休暇を合わせて取っていた。一週間前から天気予報に一喜一憂しながら準備をし、夜の高速を走り、まだ景色の見えない暗闇のU川に着いた。そして6月12日(火)午前4時憧れていたU川に遂に立った。天候は清々しい快晴微風の最高のコンディション。 3年連続でU川に立つ松ちゃんは余裕と風格さえ漂わせて見える。一年目に27cm、昨年32cmのイワナを釣り上げたオーラーか?今年も尺上イワナを狙うそのうしろ姿に着いて行く事にした。 午前中は鳩ケ湯温泉上流から入渓し堰堤までを釣り上るもお互いに反応が鈍い。しかし、フライフィッシングの醍醐味の一つであるキャスティングが楽しい!!ロングキャストを楽しみながら釣りあがりU川初ヒット、23cmの綺麗なイワナです。 こんな大きなイワナがいる事を実感。ブログでしか知らないU川を実感できた喜びとこれからの期待が膨らむ。が、現実は厳しく堰堤まで二人でこの一匹だけ...
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神崎川…ツメカリ谷~白滝谷

天気予報では午後から雨、増水も少し収まっているかもしれないと思い愛知川神崎川へ行ってみた。 朝から雨、瀬戸峠道を谷沿いに真っ直ぐ下りツメカリ谷下流から白滝谷まで釣りあがってみた。 ツメカリ谷出合い、ここまでくれば安心、この下流は増水すると渡れない淵がある。 22~3cmのアマゴとイワナが淵のど真ん中から浮いてくる、出方も食い方もイワナのようにゆっくり、そして水面から出ないでついばんでくる。 今日だけこんな出方なのかここ特有なのかよく分からないが以前も確かこんな出方ばかりであったような気がする。 #14にはなかなか出が悪かったが#18に変えるとそこそこ数は出るが型はこんなもの、これがアベレージなのかも 白滝谷出合い下流、白滝谷の辺りで雨脚が強くなり帰りの渡渉が出来なくなりそうであったので切り上げた。 白滝谷出合いには増水時の渡渉の為にゴンドラが設置してあるがあまりお世話にはなりたくない。 美しい川、煌めく水に透かして見える川底の白く輝く石、深く厚い緑濃き樹林、ただただ歩くだけでも気持ちよいのだろうが、釣りもしながら歩くと尚気持ちいい。 薄紫の小さな花(ガク)が何とも清楚なコアジサイがあち...
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難行へ続くこと

放射冷却なのか山頂付近には霞がかかり涼しすぎる朝を迎えたT川、5:00の気温は9℃ T川今年2度目のH氏、尺を狙っているらしい。 私も先週の修行のような釣りは御免被りたい、T川のグラマラスなアマゴちゃん達との花園のようなひとときを期待して今日もまた寝ずの釣行である。 少し増水したT川、朝の水温は11℃と期待通りのコンディションである。 そろそろ瀬に出てきているかと、広い瀬の続く私のお気に入りポイントから始めることにした。 増水気味の瀬を釣り上がるのは滑りやすい石の多いこの川ではなかなか辛いものがあるが、お約束のようにモッコリ出てくれる瀬のアマゴの捕食シーンの感触の記憶はその辛ささえ厭う事はない。 だが、瀬の流速が早すぎるのかまだ瀬に出ていないのか両岸に沿って攻めあがる二人の毛鉤に全く反応はない。 広い瀬を抜けて淵へと続く川幅の狭まった荒瀬に出来た緩流帯でH氏にやっと1尾Hit 完璧なHitシーンを確認した私は淵の上流に続くこの区間最も期待できるポイント群に期待を膨らますが、その淵を二人でジックリ探っていると期待のポイント群に長い竿が差しているのをH氏が発見。いつもいつも期待に棹差すのは...
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熊野で修行すること

24日金曜、熊野市にて人と会うことになった。断っても支障のある事でもなかったのだが、R169は通過できるかと奈良の知り合いに聞くと4月後半から交互通行で通過可能になったという。前鬼川イケルな…行きたいという気持ちは起こるがなかなか足の向かない前鬼川、その美しい渓谷に浸りたいと思いつつもついつい手頃なところで済ませてしまっていた。この傾向性は若い頃から悩みの種であり、これは終生治ることはないだろうが、今回の熊野出張の話、その本件にはさほど重要性を感じなかったものの、金曜に熊野、翌日休日、帰り道に前鬼川あり、という条件が瞬時にOKを出していた。 熊野市駅でAM11:00に待ち合わせ、前鬼口を10:00に出れば充分間に合う、ということは金曜の朝一前鬼を攻めて行くのも無理ではない。そんな邪まな思いもあって前日夜から出発した。ところが途中から雨が降り出し前鬼を通過する頃には本降りになっていた。いくらなんでも雨の中釣りをしてそのまんま初めてあう人と名刺交換するわけにもいかないので朝一の釣りは諦めた。仕事をさっさと片付ければ夕方には前鬼に立てる、前鬼の美しい水で顔を洗う予定が国道沿いの駐車場でたっぷ...
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イブニングは無情の雨

夜来の雨と朝霧でしっとり濡れた川沿いの林道を進むと、透明感を失ったT川が褐色に染まった無残な姿を晒していた。 “これくらいの濁りなら、何とかいけるで・・・”と、諦めきれないF氏の声もどこか弱々しい。 試しに支流のO川出合いまで様子を見に行くが、濁りの色を濃くするばかりで、 “やっぱり駄目か・・・!”と、ため息が漏れてしまう。 “こういう時は、あそこしかないか・・・”と、急ぎ車をUターンさせ、濁りの原因となっている上流部の支流より上に入ることにした。 雨は止んでいるから、午後にはこの濁りも回復するだろうという読みもある。 ここ最上流部は笹濁り程度で、何とかドライフライで挑戦できる色合いだった。 先週あたりからカディスが多く飛び交っていて、EHC16番を使っていた私に早々にヒットしたのは、20cmのアマゴ。 心なしか先週よりボリューム感がある気がするのは、思い入れの強さだろうか? カディス(トビゲラ)の帯が川面を覆うのも近い ストーン(カワゲラ)が空一面に飛翔しだすのはもう少し後だったかな? カディスの持ち合わせが少なかったF氏は、ウェットフライで果敢に挑戦。 マーカーの変化を見逃さず、き...
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T川、尺の壁

“朝から支流のH川に入ったけんど、一匹も釣れんかった・・・、長いことこの川に通っとるんやが、こんな事は初めてや!!”と地元の老餌釣り師。 “今年は、雪が少なかったけん、早くからようけ釣りに来とるで・・・、もう魚もほとんど残っとらんやろ・・・”と地元の山菜摂りのおじさん。 活性の低さを予想して、少し遅めの朝9時に到着したとき、いつも必ず入る堰堤上流部には、既に釣師と思しき4台の車が停まっていた。 仕方ないので、支流のH川下流部のコンクリ護岸ポイントからスタート。 水温10℃、快晴微風の絶好のコンディション。 誘惑に満ちたセクシーな流れにフライを乗せ、丹念にプレゼンしていくが全く反応がない。 午後3時までぶっ通しでやって、かなりシビアなコンタクトが3回程あったのみで、結局ノーフィッシュに終わった。 疲れ果てて車に戻る道すがら、出逢った二人の話を聞いて、やっぱりそうか・・・今年のT川が見えてきたような、少し哀しい気持ちになってしまった。 ただ唯一の救いは、昼食休憩直前にNO氏のロッドを絞り込んだ28cmのアマゴ。 残念ながら尺には少し足りなかったが、堂々たる風格を帯びた面構えは、T川セレブア...
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気温差20℃…U川は午後からか?

最近金曜に休みを取るようになったH氏、水曜の夜TELがあり木曜の夜から行って待ってますとの事…金曜にしこたまやられた後じゃ釣れへんやん… そんなことで、土曜4:00大野のコンビニで待っているH氏のもとへ走る。U川まで2時間30分の所要時間はほぼ大幅な誤差の出ることはない。1:30に出れば15分前には確実につけるはず。 R161で大型トラックの集団に挟まれ敦賀ICまで2時間かかってしまった、福井ICまで30分、ここで時間切れ、H氏の待つコンビニに着いたのは15分遅れの4:15、急いで朝昼の食料を買いU川へ。 H氏によると前日鳩ヶ湯下は不調、取水堰堤上流は水高、I谷出合い下流の本流で28と26をようやく上げたとの事、金曜の入渓者も多く、何となく連日攻め立てられている感じ。 鳩ヶ湯下や上流は今日も釣り人が多かろうとI谷出合い下流を朝一攻めて見ることとなった。ところが、私の15分遅れが祟ってI谷橋に既に1台のワゴン車が今停めたばかり、やられた… 仕方なくI谷出合い上流をやることにした。 取水堰堤からI谷出合いまでは水量が少ない、下流は前日水が高かったそうなので案外こちらの方がいいかもしれない。...
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