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2008年、夏物語

ここのところ恒例となった釣行会、今年の夏も昨年同様U川での開催となった。型といい、数といい安定した釣果に恵まれ、地理的な安心感からの選択である。Bird氏とは、それこそ百川錬磨?というか、一泊釣行した川だけでも、東は千曲川水系、天竜川水系、木曽川水系、長良川水系、揖斐川水系、北は神通川水系、庄川水系、手取川水系、九頭竜川水系、南は日置川水系、古座川水系、熊野川水系、十津川水系、吉野川水系、宮川水系、櫛田川水系、そして琵琶湖に注ぐ淀川水系と枚挙に暇がない。一つの水系で少なくとも5本以上は入川しているので、百銘川踏破は確実である。そして、夜のバーベキューの時にもその話で大いに盛り上がったのだが、結構危ない思いもしているのである。午前2時、いわゆる草木も眠る丑三つ時、下界の熱帯夜から逃避してひんやりとした冷気に包まれたU川H温泉前に到着、もちろん一番乗りである。これでお目当てのH温泉上流部は確保できた・・・はずだったのだが、2時半頃に後からやってきた車に入渓ポイントを押さえられてしまった。“おいおい、それは無いだろう・・・!”文句を言いに行くのも大人げないので、一歩譲ってOG、NOペアはH温...
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猿と猪と男と渇水

“忘れてしまいたいことやぁ〜、どうしようもないストレスにぃ〜、包まれたときに男はぁ〜、竿を振るのでしょう〜・・・♪”前回にも増してさらに気合を入れ、早朝4時15分に到着。“ポワァーン、ポワァーン”という例のディンプルライズを狙うためである。獣除けにクラクションを大きく2回鳴らし、まだ薄暗い林道を独りで歩き出した。7Xのフロロカーボンティペット、18番のQBP、19フィートのラインシステムという今考えられる最強のコンビネーションシステムで第1投、いつものようにチビアマゴがご愛嬌でフライをつつきに来た。水温は13℃、堰堤際のレーンを流した5投目にしっかりとした反応があり本日の1匹目とご対面。20cm程の綺麗なアマゴ、“お迎えご苦労さん”と撮影後にリリース。いつも心が和む瞬間である。気分上々で上流の流れに眼をやった途端、落胆の色に包まれた・・・。『渇水!』、平水より10cm位少ないだろうか・・・、1つ目の障害である。当然のことながら例の“ポワァーン”は見られないし、水量と水勢が少ないせいでおのずとヒットポイントも少なくなっている。“まっ、濁りと増水よりましか!”と半ばあきらめ気分で上流の少な...
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増水と濁り、未だ収まらず

これからは水温も上がってドライフライでは釣り辛くなるだろうし、美女軍団に逢えるのも今回が最後になるかも・・・と、感慨深い釣行となった。早朝5時、いつもの場所に降り立った。辺りは森全体を覆う朝霧に包まれて晴れているのか曇っているのか解らない。ウグイスの『ヨーイスタート』という声を合図に第1投。かなりの水量と流速に乗ったQBP16番はあっという間に流されてしまった。そう、今週降った雨が増水と濁りという形で影を落としていたのである。しまった、これならU川へ行った方が良かったかも、と思ったが既に遅すぎる。どこかの誰かさんは有給をとって4日の金曜日にU川へ出かけ、増水や濁りの全く無い中で、なんと25匹のイワナを1日でキャッチしたとのこと。人工物の取水堰堤に守られたU川は、ちょっとやそっとの雨は影響しないのである。こちらは平水より10cm以上高く、水温も14℃と先週よりさらに1度上昇。最後はいい形で締めくくりたかったところだが、自然が相手では仕方がない。気持ちを切り替えて増水で水圧の強くなった流れを押しのけながら進んで行く。そして、軽いジョギングくらいの流速の脇に出来た緩いスポットから元気に飛び出...
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爽快渓流、T川

先月の釣行記で『どなたか同行者を募ります・・・』 と狼煙を上げたものの結局皆さん都合がつかず、またしても嬉し寂しの単独釣行となってしまった。それならそれで『やっぱり無理してでも行っとけば良かった・・・』と思わせる釣果を上げてやろうと、気合いを込めて午前2時起床。まだ眠りに就いている街をあとに、琵琶湖の西側を疾風のごとく駆け抜ける。すっかり明るくなった午前4時57分、いつもの堰堤上の流れの前に立っていた。曇天、微風、若干減水気味だが11℃のクリアウォーターは、先週同様ほぼ絶好のコンディションといえる。QBP16番を結び息を殺して第1投、すぐにチビアマゴが反応したが乗らず。そして第2投、水面下でそこそこサイズのアマゴがギラリと反転したのが見えた。こちらの気配を察知されたようでその後は反応なし。ここで堰堤下のプールが気になったので、下へ降りてみた。1投目は強い水流に押されてドラグが掛かり失敗、どうもダウンクロスは苦手だ。その後5-6投繰り返すものの最初でしくじったため警戒されたようだ。再び元の上流部、瀬のちょっとした緩みにフライを落とすと、反応があった。本日1匹目は、午前5時20分、20cm...
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鬱憤晴らしは、やっぱりT川で・・・

仕事や所用が続いて鬱憤が溜まりに溜まっていた。ガソリン高騰もあって同行者を募ったものの、皆さんそれぞれお忙しいようで、久しぶりの単独釣行となったが、これはこれでポイントを独占できる愉しみがある。午前3時起床、いつもの堰堤上に到着したのが6時、今日は運良く空いていた。長く育った藪を掻き分け川原に降りてまず第1投、いきなりアマゴが飛び出した。不意を突かれて合わせ損なってしまったが活性の高さが伺える。水温11℃、微風、曇天、水は平水でクリアとくれば、この時期最高のコンディションである。すぐに17cmのアマゴがヒットした。今年のT川を象徴するサイズだが、昨年のアベレージ13-4cmと比べると少しだけ回復しているのかもしれない。この堰堤上のしばらく続く瀬が私の最もお気に入りのポイントである。いつも決して裏切られることがなく、そこそこの数とサイズが迎えてくれる。しばらく人が入ってなかったのか、魚の出方も素直でポイント毎にヒットし、いつも車を止める前半部分までで17-20cmのアマゴを9匹キャッチした。その後もここぞというポイントで反応があり、最後の瀬でキャッチしたのは25cmの美形アマゴ、昨年はと...
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子供の日、T川偵察記

今季東吉野高見川での3回の釣行、数はそこそこ釣れはしたがほとんどが20cmに満たない未成年サイズ。『早く美形のナイスバディをこの手で抱きしめたい・・・』という悩ましい欲望は日に日に増すばかりとなった。となればもうT川しかないでしょうということで出かけてきました5月5日。例年この時期のT川はまだ水かさも高く、雪代で青白く濁った押しの強い流れが6月の声を聞くまで多くの魚たちを温存してくれたのである。しかしご多分に漏れず近年の温暖化による積雪量の減少は、早期のうちから餌釣師によって多くの良型が抜かれてしまっている。さらにそれに追い討ちをかけるように、上流部に出来たスキー場爆弾は雨が降る度に大量の土砂を流出させ、多くの淵や深瀬のポイントを潰しているのである。今釣行の同行は安曇川の番人ことNO氏、葛川、麻生川、北川、針畑川のポイントというポイントを知り尽くしている。3日の憲法記念日に伊勢神宮へお参りに行ってきたという信心深い好々爺である。5日はあいにくの雨模様だったが、お伊勢参りのNO氏が一緒だからまさか大雨に降られることもないだろうと甘い期待を抱いて朝5時半に家を出た。8時頃に上流部へ到着して...
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二度あることは三度ある・・・?

街はすっかり新緑のフィルターに覆われて、窓を全開にして木々の息吹を感じながら車を走らせるのが何とも心地よい。ガソリン価格が上がる前に一仕事しておこうということで、今回も目指すのは東吉野の高見川。二週連続でツ抜けし、水況やハッチの状況も良さそうとの読みからである。今回も同行は高見仙人、夕まず目まで粘って念願のツ抜け達成を目論んでいる。9時にいつものふるさと村へ到着すると、すでに臨戦態勢で、2本のロッドを振り比べながら今日はどっちのロッドを使おうかと迷っていた。『弘法、筆を選ばず』というが、『仙人、竿で迷っていては・・・?』。最初の入渓ポイントに選んだのは、以前は良く釣れたふるさと村の下流部。工事によって相当痛めつけられたが、どの程度回復したのか見極めたいところ。しかし淡い期待は見事に裏切られたようで、生体反応がほとんど感じられない。区間後半部分でようやく仙人に美形の20cmが釣れて一安心。私には放流の居残りと思われる17cmがヒット、心身ともにくたくたになった。遅咲きの八重桜の下でのお昼休憩、木漏れ日が優しく身体を包み、格別な気分。午後からは仙人お気に入りの麦谷へ入ったが、私は疲労で一休...
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桜前線を追いかけて

京都市内の桜はどこもほとんど散ってしまったようだが、東吉野方面はこれからが本番である。桜は散り際が最も美しいというが、奈良へ向かう国道169号線沿いの木々はすでに花びらの数も少なく、どこか寂しさを漂わせる風情となっている。しかし、松坂へ向かう国道166号線に入り次第に標高を上げていくにつれ、時間を逆戻りさせるように淡いピンク色の花びらが目立ち始め、兎田野地域まで来ると今が盛りと咲き誇っている。天増川へ行って見ようか、それとも針畑川で遊ぼうかとも思ったが、湖西地区は雨の影響で残雪による雪しろが出てドライフライでは釣り辛いだろうと判断した。ということで二週連続東吉野の高見川、今回も同行は高見仙人ことNA氏。大学へ通う娘に金がかかりロッドを新調できないとぼやいている・・・。準備を終えて9時半に入った場所は、先週いい思いをした大又の民家が切れる辺り。しかし、先週のようにナミフタオカゲロウ(クロマダラではなかった)のハッチもなく、やや増水気味の流れからアマゴたちの反応は少ない。15-16㎝のチビアマゴを2匹キャッチしたのみだった。仙人は押しの強い流れにドラグ処理で苦戦している模様。その後、麦谷の...
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2008年開幕、チビアマゴと戯れる

このところの初夏めいた陽気と、暫定税率の期限切れによるガソリン価格の下落は、釣りに行けない理由をことごとく粉砕してしまったようだ。4月5日(土)、ようやく重い腰を持ち上げ、桜見物を兼ねて東吉野の高見川へ。9時にふるさと村に到着、橋の下で半年振りのキャスティングを懐かしんでいると、いきなり15㎝程のアマゴが釣れてしまいアマゴの活性の高さがうかがえる。と、そこへ顔を見せたのが高見仙人ことNA氏。今年はすでに3回目の釣行だそうだが、まだノーフィッシュとのこと。新調したベストに今年こそは尺アップを・・・といった意気込みが感じられる。車で少し下流へ移動、新しく開通したトンネルの手前辺りから二人で川へ降りた。中々いい渓相の続く区間だったが、私に1度、NA氏に2度反応があったのみでアマゴの顔を見ることはできなかった。集中力が足らないというか、身体の感覚がまだ本調子とは程遠いようである。昼食後は二人分かれて、NA氏は麦谷、私は大又の民家が途切れた辺りへ入渓。その頃からカゲロウ(クロマダラ?)のハッチが急に増えだし、アマゴの反応が極端に良くなってきた。それこそポイント毎にフライにアタックしてくる感じで、...
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2007年FF閉幕、幻の尺

2週連続でU川の光と風の中にいた。2007年のフライフィッシング、有終の美をどこで飾るか・・・、迷うことは無い。前回あまりパッとしなかったH温泉下だが、潜在的な魚影は濃いはずである。今回ご一緒するのは、先週の釣行会を仕事で断念せざるを得なかったNさん。定年を1ヶ月後に控えて、ここで何とか一発大仕事を・・・と鼻息が相当荒い!先週堰堤狙いが功を奏したF氏は、風邪であえなくダウン・・・。辺りが少し明るくなりだした5時、エルクヘアカディス16番を結んでいた。今週も目立った雨はなかったせいで水量は依然少なく、ちょっと厳しい感じ。あまり期待もせずラインコントロールしたフライを流れの筋に乗せると、いきなりモッコリと顔を見せてくれたのは20cmのイワナ。そしてすぐに22cmをキャッチ、今日はいける!・・・という気になった。恐らくこの一週間の間誰も入っていなかったのだろう。普段、滋賀県のA川やT川などの里川中心に釣行しているNさん、こんな広々とした山岳渓流は久し振りとあって、ちょっと戸惑い気味。しかし、そんな心配も杞憂に終わった。25cmをランディングネットに無事収めて、笑顔がこぼれている。フックは16...
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