フリ〇ンで熊に出会った日

探偵ナイトスクープにひとしきり笑わせてもらってから出かける準備にかかる、最近は金曜ロードショーより遅くなってしまって…で、とりあえず行くかという無計画なスタンスは永遠の課題になるに違いないとこの年になると確信してくる。
少しまったりとした時間を過ごしたくなり、手取、O谷へ向かう。
O谷林道入り口には鍵の掛かったチェーンが、落石のため通行止めである。歩いて入れる距離ではないのでO谷は諦め。午前4:半、SNMへ転向するには遅すぎる、近場のK谷でもまったりすりゃぁ出来ないこともない、それなりに。
第2橋より通行止めなので歩いて第3橋まで行き、ここから入渓。入渓早々からいい感じである、今日はまったりいけるぞ!

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風もないので久々に0番ロッドでやってみることにしたがイワナをやると結構面白い。

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掛けた瞬間から上流へ引き込みロッドを絞ってくれるのがイワナ釣りの楽しいところだ。
堰堤下の浅くて広い淵でひとしきり楽しんだ後、堰堤上流へ、ここからは落差が少なくなりラインをぶんぶん出して遊べるのがいい、サイズは期待できないが25cmくらいでも0番なら楽しませてくれる。

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サンドイッチと野菜ジュースでゆっくりと朝食を済ませ、さてやるかと毛鉤を新しいものに取り替えている最中にカモシカが10m程上手によたよたと河原を下ってきては河原の低い柳の木の若葉をしきりに食っている、私に全く気が付いていない様子でなんともとぼけた奴だなと鈴をチリンと鳴らしてやるとビクッとこちらを振り向いたまま固まっている。やっと警戒態勢、ほんまにとぼけた奴(^^)、視線をそらしてやると今だとばかりに森に駆け上がって行った。

『後日談、たまたま見ていたTV番組で柳には鎮痛作用のあるサリシンという成分があるそうで、このサリシンはアスピリンにも使われているそうだ。
よたよた歩いていたのは足に怪我をしていたのかもしれない、痛み止めにヤナギをしきりに食っていたのか?野生の連中はよく知っているんだなぁと感心したのだった。生物多様性の利益というのを目の当たりにした瞬間だった。』

通行止めが効いているのだろうか…あんなにとぼけたカモシカがこんな時間に現れるとは…もしかしたら…

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堰堤上流も好調である、グイグイとロッドを引絞ってくれた奴を2尾ばらしたが惜しい型だったかも知れない。

朝食1時間後いつものごとく切迫してきた、適当な場所を探しながらティッシュを探すが持ってきてない。仕方がないので広い葉っぱを4~5枚むしり取りこれで代用するしかないかとザックをおろしベストを脱いで適当な場所を探すが河原のブッシュが結構茂っていてかがめそうにない、少し下流に降りたところに釣り人が通りそうにない奥まったところに砂地を発見、ふう、間に合った。先ほどの葉っぱでおおかた拭き取り、かがんだまま川へ入り天然ウォシュレットで仕上げ。
立ち上がりながらふと上流に目をやった瞬間、目に飛び込んだのはクマがぴょんぴょんと私の2~3m手前まで迫り、直前で山の方へ方向転換、そのまま居なくなった。
この間、約2~3秒。頭の中は「熊だ」「熊スプレー」この二つがきれいに連携しクマスプレーを取り出していたが、あのまま私に襲いかかってこられたら到底間に合わなかった。
で、クマスプレーは手にしていたが、パンツは…まだ。いわゆるフ○○ン状態でクマスプレーをかまえていたわけである。
先ほどのカモシカと私の関係が逆転してクマと遭遇していたのかもしれない。クマからすれば、なんととぼけたおっさんやろ、俺に全く気が付いてないぞ、ちょっと脅かしてやれ、ってな事だったのかも知れない。
イヤ~もしも襲われていたらなんとカッコ悪い状態で発見されたのだろうかと思うと背筋が凍った。初めて熊と遭遇したのになんでこんなんやねん!もちっとましな遭遇の仕方はなかったんかい!
置いてきたザックに触った形跡はない、もう現れないだろうがまだその辺に潜んでいるかもしれない、一発クマスプレー噴射!…フッ情けな…
あまりに短すぎた遭遇時間とあまりにカッコ悪すぎた状況に恐怖感さえ湧かないという初体験。若き男性諸氏よ、女性を大事に、くれぐれもお初はそれなりにロマンティックを演出してやらなければなりませんぞ。

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とりあえずそのまま遡行するのも常識を疑われるだろうし、最初のカモシカ、このクマと、どうもよくない。3度目の正直があってはならないと思い下りることにした。

まだ10時前、SNMしかないか、中流部をボチボチ昼までやって昼寝した後、上流部をギリギリまでやって帰ることにした。
SNM林道を走っていると見たことのある京都ナンバー、ん?U川行くと聞いてたけど、もしかしたら老師とWさんか?川を見ながら走っているとやはりそうだ、堰堤下でやっているのを発見、クラクションを鳴らすが堰堤の音で聞こえないのか気付いてくれない、まぁ昼飯後車のあった場所で昼寝しているだろうから昼頃合流しようと上流域をやってみたが2台先行されていたので全く反応もなし、30分ほどで切り上げ2人の車のあった場所へ帰ってみるともうない。移動してしまったか…となると、M谷しかないな。当たり!。
キャンプ場の芝生で昼寝中の2人を発見、やっと昼飯、午前のSNMの釣果は上々だったらしい。私は当然クマ報告、普通騒然となるはずが爆笑…だろうな、笑ってもらうしかない。
2人は午後I谷をやって夕方M谷とのこと、私は長く続いた河川工事がやっと終り濁りのとれた市ノ瀬駐車場横の本流を久々に攻めることにした。

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以前のような大型は出ないもののしっかりイワナはいる。ヤマメの稚魚らしい奴も反応してきたが確認は出来ていない。もう少し水位が下がれば面白くなるかもしれない。

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M谷は堰堤で4~5匹ずつ

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先週、老師が尺を上げたポイントは水位が低くあまりパッとしなかったが、Wさんが渋いライズを繰り返していた25cmをヒットさせ何とか納得、午後7:45終了とした。

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