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桜前線を追いかけて

京都市内の桜はどこもほとんど散ってしまったようだが、東吉野方面はこれからが本番である。 桜は散り際が最も美しいというが、奈良へ向かう国道169号線沿いの木々はすでに花びらの数も少なく、どこか寂しさを漂わせる風情となっている。 しかし、松坂へ向かう国道166号線に入り次第に標高を上げていくにつれ、時間を逆戻りさせるように淡いピンク色の花びらが目立ち始め、兎田野地域まで来ると今が盛りと咲き誇っている。 天増川へ行って見ようか、それとも針畑川で遊ぼうかとも思ったが、湖西地区は雨の影響で残雪による雪しろが出てドライフライでは釣り辛いだろうと判断した。 ということで二週連続東吉野の高見川、今回も同行は高見仙人ことNA氏。 大学へ通う娘に金がかかりロッドを新調できないとぼやいている・・・。 準備を終えて9時半に入った場所は、先週いい思いをした大又の民家が切れる辺り。 しかし、先週のようにナミフタオカゲロウ(クロマダラではなかった)のハッチもなく、やや増水気味の流れからアマゴたちの反応は少ない。 15-16㎝のチビアマゴを2匹キャッチしたのみだった。 仙人は押しの強い流れにドラグ処理で苦戦している模...
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2008年開幕、チビアマゴと戯れる

このところの初夏めいた陽気と、暫定税率の期限切れによるガソリン価格の下落は、釣りに行けない理由をことごとく粉砕してしまったようだ。 4月5日(土)、ようやく重い腰を持ち上げ、桜見物を兼ねて東吉野の高見川へ。 9時にふるさと村に到着、橋の下で半年振りのキャスティングを懐かしんでいると、いきなり15㎝程のアマゴが釣れてしまいアマゴの活性の高さがうかがえる。 と、そこへ顔を見せたのが高見仙人ことNA氏。 今年はすでに3回目の釣行だそうだが、まだノーフィッシュとのこと。 新調したベストに今年こそは尺アップを・・・といった意気込みが感じられる。 車で少し下流へ移動、新しく開通したトンネルの手前辺りから二人で川へ降りた。 中々いい渓相の続く区間だったが、私に1度、NA氏に2度反応があったのみで アマゴの顔を見ることはできなかった。 集中力が足らないというか、身体の感覚がまだ本調子とは程遠いようである。 昼食後は二人分かれて、NA氏は麦谷、私は大又の民家が途切れた辺りへ入渓。 その頃からカゲロウ(クロマダラ?)のハッチが急に増えだし、アマゴの反応が 極端に良くなってきた。 それこそポイント毎にフライ...
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2007年FF閉幕、幻の尺

2週連続でU川の光と風の中にいた。 2007年のフライフィッシング、有終の美をどこで飾るか・・・、迷うことは無い。 前回あまりパッとしなかったH温泉下だが、潜在的な魚影は濃いはずである。 今回ご一緒するのは、先週の釣行会を仕事で断念せざるを得なかったNさん。 定年を1ヶ月後に控えて、ここで何とか一発大仕事を・・・と鼻息が相当荒い! 先週堰堤狙いが功を奏したF氏は、風邪であえなくダウン・・・。 辺りが少し明るくなりだした5時、エルクヘアカディス16番を結んでいた。 今週も目立った雨はなかったせいで水量は依然少なく、ちょっと厳しい感じ。 あまり期待もせずラインコントロールしたフライを流れの筋に乗せると、いきなりモッコリと顔を見せてくれたのは20cmのイワナ。 そしてすぐに22cmをキャッチ、今日はいける!・・・という気になった。 恐らくこの一週間の間誰も入っていなかったのだろう。 普段、滋賀県のA川やT川などの里川中心に釣行しているNさん、こんな広々とした山岳渓流は久し振りとあって、ちょっと戸惑い気味。 しかし、そんな心配も杞憂に終わった。 25cmをランディングネットに無事収めて、笑顔が...
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U川、男達の集い

瑞穂町からやってきたH氏は、鮭釣りにも挑戦する、熱血のフライマンである。 奈良県御所市から初参加したN氏は、夢の尺イワナへと思い入れが人一倍強い。 池田市から参加のM氏は、ロッドより少年野球でバットを振る方が多いようだ。 京都市から駆けつけたF氏は、なまず釣りが忙しいらしく、少々お疲れ気味? そして城陽市から老体に鞭打ってはせ参じる私O、ユンケルが頼みの綱である。 こうして各地から5人5様のそれぞれの思惑を持った老兵が集った今回の釣行会、早朝4時半にH温泉前に集合という、かなりの強行スケジュールにもかかわらず皆元気な姿を見せてくれた。 久しぶりに合わせた顔と顔だが、何も言わなくても目と目が合えば自然に笑みがこぼれる『男達の集い』である。 12時にいつものI谷上流部のテン場へ集合することだけを決め、それぞれ思い思いのポイントへ散って行った。 今回、私とペアを組んだH氏と取水堰堤上流部の流れに降り立ったのが5時。 次第に明るさを取り戻して行く光の中で、ススキの穂が揺れる川べりをそっと歩きながら、ゆっくりとラインを繰り出す・・・そうした時の流れに浸れる瞬間というのは、無上の悦びとなって全身を...
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イブニングは無情の雨

夜来の雨と朝霧でしっとり濡れた川沿いの林道を進むと、透明感を失ったT川が褐色に染まった無残な姿を晒していた。 “これくらいの濁りなら、何とかいけるで・・・”と、諦めきれないF氏の声もどこか弱々しい。 試しに支流のO川出合いまで様子を見に行くが、濁りの色を濃くするばかりで、 “やっぱり駄目か・・・!”と、ため息が漏れてしまう。 “こういう時は、あそこしかないか・・・”と、急ぎ車をUターンさせ、濁りの原因となっている上流部の支流より上に入ることにした。 雨は止んでいるから、午後にはこの濁りも回復するだろうという読みもある。 ここ最上流部は笹濁り程度で、何とかドライフライで挑戦できる色合いだった。 先週あたりからカディスが多く飛び交っていて、EHC16番を使っていた私に早々にヒットしたのは、20cmのアマゴ。 心なしか先週よりボリューム感がある気がするのは、思い入れの強さだろうか? カディス(トビゲラ)の帯が川面を覆うのも近い ストーン(カワゲラ)が空一面に飛翔しだすのはもう少し後だったかな? カディスの持ち合わせが少なかったF氏は、ウェットフライで果敢に挑戦。 マーカーの変化を見逃さず、き...
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T川、尺の壁

“朝から支流のH川に入ったけんど、一匹も釣れんかった・・・、長いことこの川に通っとるんやが、こんな事は初めてや!!”と地元の老餌釣り師。 “今年は、雪が少なかったけん、早くからようけ釣りに来とるで・・・、もう魚もほとんど残っとらんやろ・・・”と地元の山菜摂りのおじさん。 活性の低さを予想して、少し遅めの朝9時に到着したとき、いつも必ず入る堰堤上流部には、既に釣師と思しき4台の車が停まっていた。 仕方ないので、支流のH川下流部のコンクリ護岸ポイントからスタート。 水温10℃、快晴微風の絶好のコンディション。 誘惑に満ちたセクシーな流れにフライを乗せ、丹念にプレゼンしていくが全く反応がない。 午後3時までぶっ通しでやって、かなりシビアなコンタクトが3回程あったのみで、結局ノーフィッシュに終わった。 疲れ果てて車に戻る道すがら、出逢った二人の話を聞いて、やっぱりそうか・・・今年のT川が見えてきたような、少し哀しい気持ちになってしまった。 ただ唯一の救いは、昼食休憩直前にNO氏のロッドを絞り込んだ28cmのアマゴ。 残念ながら尺には少し足りなかったが、堂々たる風格を帯びた面構えは、T川セレブア...
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寒狭川、傷心未だ癒えず

緑がまぶしい季節、渓魚たちにとって一年の内で最も活性が上がる時期である。 メイフライ、スーパーハッチ・・・、我われフライマンにとっても最も胸キュンとなる季節でもある。 帰省を兼ねたリベンジ釣行は、昨年同様の愛知県東部を流れる寒狭川。 2月1日解禁で、成魚放流主体の川である。 標高も低く川原が開けているため水温が上がりやすく、どちらかというと鮎釣りの方に分がありそう。 朝7時に現地到着、しかし入漁券売り場の店がまだ閉まっている。 30分ほど待つとようやく店が開いたので、最近の状況を確認した。 今年は早期より釣り荒れていて、もう魚はほとんど残っていないだろうとのこと。 暖冬を考慮して、もっと北部の川を選択すべきだったと思ったがもう遅い。 気を取り直して、まずは下流部にあるキャッチアンドリリース区間に入った。 大きなプールと瀬が交互に続くエリアだが、ルアーで狙う方が有利なポイントだ。 水温は14℃もあり、あまり期待もせずに瀬のえぐれを中心にタタキ上がった。 その時、明らかに油断していた! 27-8cm、いや尺を超えていたかも・・・? いきなり瀬を割るように飛び出した大きなアマゴの背中が見えた...
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T川惨釣記

桜の季節が終わりを告げ、それを待ちかねたように季節の花が一斉に咲き乱れる。 まさに百花繚乱といった感の4月29日、今季初のT川お試し釣行。 先週、F氏の偵察釣行記で、今年はもういけるという感触を得て気合いは充分。 例年なら今時分は雪代による増水で、ドライフライでは全く歯が立たない。 暖冬というのは有難いが、反面早期の釣り荒れが懸念されるところでもある。 今回のお相手は、私とはロートル(老獪?)コンビのNO氏。 安曇川で食い気満々の放流魚相手に腕慣らしは充分済んでいるが、T川のネイティブ達を相手にどこまで通用するかが問題である。 道中の話題はと言えば、体調と老後の話ばかり・・・。(あーヤダヤダ!) 二人とも朝早いのには自信があり、早朝6時には最上流部のN集落に到着していた。 放射冷却による冷え込みで気温は4℃、ハッチは当然のごとく全く見られない。 前日T川を釣って今日はU川に向かっているF氏から“上流部は全く無反応で、中流部で先行者がなければ何とか・・・”といった出鼻をくじくメールが届く。 F氏の忠告よろしく中流部の昨年鮎釣りをしたポイントまで移動し、川面に日が差し込むまで朝寝でもしなが...
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必釣!ジャイロキャスト・・・?

京都府・滋賀県・福井県の県境にある三国岳に源を発し、若狭湾へ注ぐ由良川は京都府北部を動脈のように流れる銘川である。 春には鮎が遡上し、秋には鮭が上る川としても知られ、最上流部は京大の演習林として入山が規制されている。 今回、訪れたのはその中流部にある支流の上和知川。 和知川漁協の管轄でアマゴが成魚放流されており、最上流部には『アマゴの里』という私設の放流釣り場がある。 この川の情報提供者であるK君の情報によると、“水温の上がらない5月の連休までならそこそこ釣れますよ!”とのこと。 また、あるショップのT店長が行けば20匹は釣ってくるという裏情報も・・・? 桜も散りはじめた4月14日、気軽な単独釣行は“まあ、顔が見れたらいいか・・・” といったのんびり気分で家を出たが、風がやたら強いのが気になる。 国道27号線から分かれて7km程入ったところにある『ウッディパルわち』というキャンプ場に到着したのが9時半。 最上流部にある『アマゴの里』の手前まで一通り川を見てきたが、全体的に川幅もなく落差もない里川で、舗装された道路や民家が近くにあり、正直言ってロケーションとしては・・・?という感じ。 入...
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2007年FF開幕

『願わくは花の下にて春死なん・・・』と西行が詠んだ如月の望月の頃はもう過ぎてしまったが、奈良公園から吉野山へ続く国道169号線は桜の名所が随所にある。 そこ、ここで咲き競う花を愛でながら、FF開幕の川に選んだ吉野川水系高見川へと車を走らせた。 ここ高見川は渓が開けていて水深も浅く、解禁初期からドライフライへの反応がいい。 年とともに初釣行前夜の胸を焦がすようなトキメキはなくなってしまったが、それでも川が近づくにつれ、頭の中でキャスティングしている自分に気がつく。 8時に待ち合わせ場所である『ふるさと村』に到着すると、NA氏が既に気合い充分の臨戦態勢で待ち受けていた。 風はほとんどないが、雨がポツポツ落ちてきてちょっと肌寒いコンディション。 入漁券を購入し準備をしている間に、NA氏がすでに橋下の渕尻で初物の小アマゴをキャッチし、デジカメに収めていた。 さすがに高見川一筋に年間20日程通い続けるだけあって、ポイントを知り尽くしている。 ひとまず1kmほど下流へ歩いたところから入渓することにした。 水温は7℃、水量としてはかなり減水気味でハッチはない。 すこし流れの緩いところを流すと、早速元...
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