U川、男達の集い

瑞穂町からやってきたH氏は、鮭釣りにも挑戦する、熱血のフライマンである。
奈良県御所市から初参加したN氏は、夢の尺イワナへと思い入れが人一倍強い。
池田市から参加のM氏は、ロッドより少年野球でバットを振る方が多いようだ。
京都市から駆けつけたF氏は、なまず釣りが忙しいらしく、少々お疲れ気味?
そして城陽市から老体に鞭打ってはせ参じる私O、ユンケルが頼みの綱である。

こうして各地から5人5様のそれぞれの思惑を持った老兵が集った今回の釣行会、早朝4時半にH温泉前に集合という、かなりの強行スケジュールにもかかわらず皆元気な姿を見せてくれた。
久しぶりに合わせた顔と顔だが、何も言わなくても目と目が合えば自然に笑みがこぼれる『男達の集い』である。
12時にいつものI谷上流部のテン場へ集合することだけを決め、それぞれ思い思いのポイントへ散って行った。

今回、私とペアを組んだH氏と取水堰堤上流部の流れに降り立ったのが5時。
次第に明るさを取り戻して行く光の中で、ススキの穂が揺れる川べりをそっと歩きながら、ゆっくりとラインを繰り出す・・・そうした時の流れに浸れる瞬間というのは、無上の悦びとなって全身を包んでくれる。
水量は幾分少なめながら水温15℃とまずまずの好条件の中、いきなり私のロッドがしなやかに曲がった!

O22

水深の浅い緩い流れに付いていた22cmの無垢なイワナ。
“今日はもうこれでいい・・・”そんな気にさせてくれる嬉しい一匹である。

カーフテールカディスを妖しく操るH氏も順調にヒットさせているが、型が20cm前後とイマイチ物足らない様子
その後、25cmの良型が私のロッドを絞り込んでくれた。

O25

こういうサイズがそこそこ釣れるのがここU川の魅力である。
しばらく進んだところで上流にフライマンを発見、やむなくポイント移動。

3連休の初日とあってさすがに釣り人が多いが、運良くH温泉下流部の前半区間が空いていた。
ここでH氏が27cmのナイスバディをキャッチ。

H27

渇水気味のところをさらに取水され、ポイントが極端に少なくなっている。
結局二人とも5-6匹ずつキャッチして午前の部終了、まずまずの釣果だろう。

12時にI谷のテン場へ集合、H温泉上流部へ入ったN氏とM氏は渇水が災いしてか2-3匹ずつと貧果だったが、単独I谷を攻めたF氏のみ11匹と二桁達成。
堰堤キラーの称号は伊達ではなかったようだ!
昼飯はいつもお決まりのソーメンである。
谷水で湯がいたソーメンを野外で食べると、何故こんなに美味しいのだろう。

昼寝の後のイブニングは期待倒れに終わり、愉しい夕餉の始まり。
釣行会の愉しみの半分はこの夕餉にあると言ってもいい。
期待していたM氏特製のローストチキンは無かったものの、バーベキューとイワナの骨酒で『男達の宴』は大いに盛り上がりをみせたのだった。

Babe

All

Kotu

翌朝は5時前に起床、昨日と場所を交替し、N・M氏コンビが取水堰堤上流部へ、H・OコンビがH温泉上流部へ入った。
車の鍵を渡し忘れたため移動できなかったF氏は、やむなくテン場上流部へ。
H温泉上流部に入った我々二人は、林道最終部の車止め駐車場エリアと合わせて、26㎝を頭に5-6匹ずつキャッチ。

Hatomae

O26

Camp

N・Mペアは又しても厳しい釣果に終わったようだ。
災い転じて福となったF氏は何と28㎝混じりの13匹。
この時期、産卵を控えたイワナ達は上流を目指して堰堤に溜まってしまう訳だが、F氏はここI谷の堰堤に居付いている魚の筋を完全に見極めたようである。

毎度お馴染みとなった昼食のソーメンパーティは、一転して反省会となる。
N・Mペアは、残念ながら夕まずめを待たずにここで早帰り。
日ごろ溜まりに溜まった憂さを晴らすためにやって来る釣行会だが、晴らせずに無念の帰還となってしまったようだ。

夕まずめは今回も不発で、3人それぞれ1-2匹。
結論として皆がこぞってやってくる3連休というのは、有望ポイントに入れた朝一だけが良い釣果に恵まれるチャンスだということ。
特にU川のような有望河川であれば、それも当たり前のことに違いない。
今回、一番いい目をしたF氏、落としたはずのデジカメも運良く見つかり、なまずのような執念でさらに自信(地震)を深めたようである。

p1010140

ヤマハハコ、I谷取水堰堤の上流の川原に咲いていた。

取水堰堤上流は通常より5cm~10cmは増水していたが取水量が多いのか取水堰堤の下流は例年より水量が少なく堰堤下のたまりにイワナが群れていた。

P1010179こんな堰堤下で3~5尾はHit

P1010167
サイズは25cm平均、増水後を狙えば良型が期待できそうである。

P1010170
クサボタンは何かメルヘンチックでなんとも可愛い